2011年8月16日火曜日

Zola Jesus


Dark Waiting, Light Standing

Aug 15, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Patrick Stolley
Translated by Teshi







Nika Roza Danilovaのバイオグラフィーを読み通すと、かなり無茶苦茶な人間の人生の過程を覗き込んでいるような気分になる。もしかしたら子供の頃からの悪夢をまだ見続けているのかもしれない。彼女はどこか違う。社会の規範から少し外れている。彼女の父親が鹿の頭を庭の木から吊り下げてたというエピソードは、彼女や他の中西部の田舎の子供達が経験するものと同じ考えを与えた。まだそんな強烈な光景をみる準備は出来ていなかったかもしれないのに。彼らは小さい子供の頃から狩りに連れて行かれる。パパが鹿の死体から皮を剥ぐ所や、マスクラットが突出した水道管に吊下がっているを見せられる。後ろ足には古い靴紐が結び付けられている。毎朝学校に行く前にシャワーを浴びる場所のすぐ隣でこいつがぶらさがっているのだ。彼らは農場を動物や鳥類を手伝わせたり、狩りで殺したりする。そこには命の素晴らしさがある。彼らは農場で生まれ育ちそれを身につけた。テレビゲームや映画の映像を見ただけではなかなか理解できない。ニュースレポートやビデオ映像で生々しい暴力の現場、死、そして破壊を見ても、でっちあげみたいだし、画面上の事だ。ほんの数フィート先にいる豚が食肉用に処理される所を見たり、父親が高齢の弱った犬や猫を小屋の後ろでライフルで撃ち殺す音を聞いて育つのとは違う。Danilovaは古びれたウィスコンシンの100エイカーの森の中で育ち、こういうことをたくさん経験してきた。これが彼女がダークな思想に傾倒する原因だと言う。Zola Jesusがセクシーで冷たい風を乗せた田舎のゴシックだ。秋の風は、閉鎖的な木々の中を通り抜ける事は出来ないが、隙間の中にこっそり隠れ、太陽が沈む夕暮れの中を抜けていく君の息を掴もうと待ちかまえている。"Stridulum"と"Valusia"という彼女が去年リリースした二枚のEPの楽曲で、僕らをぞっとする気分にさせることはなかった。代わりに、かなりマイナーで、それでも僕らがよく考える人間の心配事の気味の悪い部分を強調していた。それは、「置いていかれてそのまま忘れ去られる事」だ。"Stridulum"に収録された"Trust Me"でその要素は一番凝縮されている。彼女が他の人達に「そこにいるから」と言って、彼らはそれを単に信じるべきだ、という曲。でも、人間ってそんなに簡単に他の人を信じられる生き物かな?多分違うよね。僕らは警戒してるし、そうあるべきなんだと思う。慎重に、光を消して闇の中で閉じこもっているべきだ。一年の内、夕方夜が長くなると、今まで知っていた事や慣れていた事のバランスが崩れて色々信じられなくなる。鹿の用に立ち尽くして、仕留められるのを待っている。でも実際に撃たれるなんて考えてもいない。
Zola Jesus Official Site


試聴・ダウンロード 

セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. Avalanche(未発表)
  3. Trust Me(Stridulum収録)

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