The Uncontrollable Properties Of The Illusion
Aug 5, 2011
Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi
Barton Carrollの曲には気休めは無いのだが、このノースキャロライナ出身、シアトル在住の歌手は一日の終わりにロープの先に捕まってぶら下がり、困難に挑んでいるような気分にさせる。風が吹いて僕らを危なく揺らすこともなく、周りには応援もある。だけど、そこに充満している匂い、まるで勝負に負けた瞬間、家に帰って淡い灯りをつけて一日の終わりに足を休ませる瞬間との間に漂う空気がそこにある。やっと休息の時間だ。心と体を落ち着かせることができる。Carrollが書く曲は、生活観の中にある喜びと、かつて[喜び」の一つとして存在したことが腐って朽ち果てたモノ、二つを描き出す。そして本性を曝け出すのだ。この二つの「喜び」は立ち上がって、心のうちを明かし、強くなる。たとえ耐えられないほどの絶望に今すぐにでも泣き出しそうな、壊れそうな精神状態であっても。僕らは曲中の登場人物たちと一緒に、うまくいくはずが無い複雑な人間関係の迷路の中に迷い込んだ気分になる。いや、もともとうまくいっていなかったのかも知れない。ここで多く描かれるのは解決しそうも無い父親と息子の対立だ。二人はただただ反発しあい、今まで我慢してきた愛の痛みが生々しく、赤裸々に明かされる。この対立はもう何十年も続いているようだ。"Small Thing"という曲で、Carollは「どんな息子も父親も戦争のときは同じ事をしていたんだってね/僕は子供だったし/関係ない世界だった/そして僕はただのちっぽけな存在だったんだ。」彼はムード作りの天才で、空っぽなんだけれど、限りない暖かさがある空気感を作り出すことに一番長けている。まるで、問題は彼ら(登場人物)の中ですでに議論されて、それと共に生きていくしかないという解決策に達した時のようだ。こういうとき男は実際どうすればいい?Carollは抑制が効かない愛と人生の財産を大切にしている。それはたとえ解決しても、まだすこし気まずくて、時々幸せを呼び起こすものだ。彼は補正された道よりもまだまだ砂利道の方ががたくさんあると思っている。長い道で、傾斜がかかっている。最近どこかで聞いたな。そうだ、Carrollの曲だ。先が長い砂利道で、高い丘になっている。「この悲しみには意味がある」と"This Town Is Cold"で彼は歌い、"Let's Get On With The Illusion"で結論に達する。「もし君が僕の頭の中の混乱を共有するなら/もし愛と人生がこんな風に変わってしまったら/魔法の中に信念を無くしてしまったら/うん、多分考えすぎなんだ。魔法の中にかかってみよう/君にドレスやでかいダイアモンドを買ってあげるよ/そして僕は魔法に身を捧げる/犠牲になってもいいよ/僕ら二人とも愛は嘘で出来てるって分かってるから/魔法の中に入っていこうよ」
Barton Carroll Official Site
試聴・ダウンロード
セットリスト
- Welcome To Daytrotter
- The Poor Boy Can't Dance(Together You and I収録)
- Small Thing(The Lost One収録)
- Shadowman(Together You and I収録)
- Let's Get On With The Illusion(Together You and I収録)
- The Lag's Song(未発表)
- This Town Is Cold(Together You and I収録)
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