2011年8月11日木曜日

Abe Vigoda


The Glassy And Uncertain Ball Of Evenings

Aug 9, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Patrick Stolley
Translated by Teshi









Abe Vigodaは面白顔の俳優やDavid Lettermanのジョークのパンチラインを基に名づけられた訳ではない。実際、このロスアンジェラスに活動の場を置くバンドはそんな上っ面な自己紹介を全然望んでいないだろう。このバンドは笑えるような事をしないし、冗談でみせかけをすることもない。変わりに、面白くて創造力溢れる特別な若い青年達が集まった。この四人組は去年の終わりに新作"Crush"をリリースした。この作品は寂しくて険悪なハイウェイを、LAの山々を通り過ぎ、霧がかった深夜、太陽が昇る前に勇気を出して駆け抜ける感覚を得られる。このアルバムには、気味が悪い親密さがあり、まるで丘に何千もの黄色や緑の目が君を見つめていて、隠れ蓑の下でそれがギラギラ輝いているようだ。化け物たちはお腹をすかせて、いきなり現れたり消えたりする。まるで蛍が突然消えて、また断続的に光出すように。リードシンガーのMicheal VidalとJuan Velanzquez, David ReichardtとDane Chadwickの四人が作り上げたシューゲーズの音色はすこし暗い感じがするけれど、心を沈ませるものではない。代わりに、僕らに変わることのないモノやたくさんの腕、脚、歯、髪の毛、顔が霞んで混ざり合い、一つの溜まり場が生まれるような夜の景色を思い起こさせる。夢が君を支配し、コントロールを奪う。良心と無意識が前に出てきて、曲を書いたり、物寂しい舞踏場で踊り始めたりする。まるで夢の波が目の前でひらひらと連続的に過ぎていくようだ。それでも自分の頭や心の中から生まれている。まるで欠けて行く月を見つめる制圧された遠吠えのように僕らに迫ってくる。あの無音で無表情な月が豪華な夢の事実を何か隠しているかもしれない。Videlは"Beverly Slope"という曲で「君はいつも自分が知っている事を、僕に言わせようとするよね」と歌い、ぼやけてよく分からない表情を、もっとするべきなのかな?と思わせる。心の奥では分かっている事がある。けれど僕らはそれと一緒に、自信を得るためにいつも仲間を求めている。Abe Vigodaを聴くと、とても静かで優しい夜でも僕らをボコボコにしてしまうという感覚が得られる。彼らは傷と蚯蚓腫れを僕らに与え、唇の先端にのこった乾いた血も美しいものだと思わせるのだ。こういう傷跡を愛し、嫌う事が出来る。でもこいつらはいつもからだの中に残って、僕らの命のために戦っている。どんな形になろうとも。
Abe Vigoda Myspace




試聴・ダウンロード 



セットリスト

  1. Welcome to Daytrotter
  2. Repeating Angel(Crush収録)
  3. Dream Of My LoveCrush収録)
  4. Beverly SlopeCrush収録)
  5. Throwing ShadeCrush収録)


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