2011年8月30日火曜日

Mister Heavenly


All Of The Ragged, Oceanic Summertime

Aug 29, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Matt Oliver
Mastered by Sam Patlove
Translated by Teshi





テキサス州オースティンは一年のどんな時でも秋は他の季節に比べてめっぽうに暑い。しかし去年の冬、街では季節最後のアウトドアショーの開催が予定されていた。北の方、温度は既に下落していて初冬の風は荒れ狂い始めていた。短い飛行機旅行を経て辿り着いた時、外はさわやかな天気で、その日の夜街ではCold War Kidsをゲストに休日前のチャリティラジオショーのが予定されていて、僕らのビッグオレンジスタジオの向かいにあるScott InnはMinister Heavenlyがヘッドラインを務める今年最後のアウトドアショーを企画していた。12月の始めの清清しい一日だったけれど、Honus Honus (いつもはMan Man)やNicholas Thorburn(いつもはIslands)、Joe Plummer (いつもはModest Mouse)とMicheal Cera (いつもは銀幕の中)の四人からしたらそんなこと関係なかった。彼らは前の晩にシアトルかポートランドでライブをしていて、このセッションのほんの数分前にここに飛行機で到着したらしい。昨日の晩は寝てなかったみたいで、みんなきっとそれぞれ10~12ドルの気分だっただろう。それ以上の値にはならないはずだ。4人の男がポケットのおつりを探って、ギターとドラムスティックを砂利道を通って引きずってきた。彼らはこのセッションが終わった後、スタジオの外にあるピクニックテーブルでメキシカンフードを頬張るのを待ちわびている。Honusの声はちょっとガラガラだったけど、Thorburnはシュガーハイだったのか、頭の中はふわふわの桃源郷にいたのか元気そうだった。彼にとっては昨日の晩のライブも、スタジオまで急いで来たこともあまり影響していないようだ。Ceraは基本静かだったけど、使い捨てカメラの事の事になると結構お喋りで、Cold War KidsのMatt MaustやNathan Willetが来たときも中々喋っていた。この二人はウォータールーレコードの帰りにJay-Zの"Decoded"というアルバムを取りに来くためにちょっと立ち寄っていたのだ。一度演奏を始めると--彼らのライブはネットで流れていた良し悪しが激しいライブ映像以外には殆ど謎だった--彼らの音楽は周りを巻き込む海のようなミクスチャーだった。これはThorburnとHonusが得意とする技だ。その時まだアルバムが果たして発表されるかどうかの詳細はまだ出ていなくて、オースティンでは(毎晩短いショーが開かれるイベントだった)Ceraが毎回ベースとして参加するのか、それともどこか映画撮影で席を外しているのかという憶測が飛び掛っていた。それだけでチケットは前売りで完売。会場は目玉をグリグリさせた女の子達がムービースターみたいに着飾って着ていた。音楽はこのスーパーグループ/ハリウッドの新星という前書きよりも輝いていたし、Ceraは真性のベースプレイヤーで、映画の合間のサイドショーなんかじゃなかった。彼は一度だけ観客の注意を惹こうと気まずくマイクに向かって「この街が気に入ったよ。僕のミドルネームはオースティンなんだよ」と言っていた。彼は観客を味方につける方法を知っている。そして"Out Of Love"というリリースされたばかりのアルバムで僕らもやられてしまった。そこでは真夏の音が聞こえるような恋の苦しみが優しい瞳とぼろぼろに打ち砕かれた拳と一緒に僕らを追いかける。天国みたいにいい気分だよ。

Mister Heavenly Official Site
Sub Pop Record 


試聴・ダウンロード


セットリスト
  1. Welcome To Daytrotter
  2. I Am A Hologram(Out Of Love収録)
  3. Doom Wop(Out Of Love収録)
  4. Your Girl(Out Of Love収録)
  5. Pineapple Girl(Out Of Love収録)




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