2011年8月10日水曜日

The Civil Wars


Love, The Great Crapshoot, Shot At The Moon

Aug 9, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi






もし僕らがThe Civil Warsの"Barton Hollow"で歌われる事を信じなくちゃいけないんだったら、愛はきっと惑星と月の関係と同じなんだなって思うはず。地球から上を見上げて、天国を覗き込むと、月と月の仲間達が見える。狂わしいほどにピカピカ輝いて、美しさを放っている。遠くの方に他の惑星も見える。一緒に観察すると、月と同調している事がわかる。月をじっくり見つめていると、手を伸ばしてもっと近くで見たいと思う。どうすれば触れられるのだろう。でも事実、それを達成する事は中々難しい。たった12人しか月面に着陸した事ないんだから!そう、人類は月に辿り着く事はできたけど、月を地球に持って帰る事はできないし、地球を月に持ってくる事もできない。惑星と月は近づく事が許されていないのだ。アメリカ全土で一番ロマンティックなソングライター、Joy WilliamsとJohn Paul Whiteは愛を見つけて、また違う誰かと愛に落ちる事の、恋愛の非常に甘くて悲劇的な性質に引き込まれている。まるでどこかに愛する人を見つけるために登るべき山があって、ストーリーはそれで終わりじゃないと言う様に。汚い技だよ。だって、一度一つの山を攻略したら、さらに大きい山があって、またそれより大きい山があって...こんなサイクルはずっと続くんだから。とは言っても、そうして一番の確信を得ることが出来る。それはもともと心の奥にあった考えで、色んな可能性を忘れさせてくれる。それは、この恋愛が望みどおりにいかないという不可能性に「だから何?」と答える態度だ。"Barton Hollow"に収録されている曲はWilliamとWhiteの結構楽観的な声(リアルなフォーク/カントリーウェスタンの歌い方)で紡ぎ出されていて、多くの試みが失敗に終わったことを歌っている。"Ive Got This Friend"という曲では男と女が詳細に二人の友達について歌っている。男は「物静かで/心を閉じている/そう僕の友達は愛を知らないロマンチスト/誰か愛を返してくれる人がほしいだけなんだ」と歌い、女は「彼の歌と似ている様な曲を歌うの/ずっと心にしがみついている友達がいるのよ/まるでそれが小さな秘密であるかのように。まるで、彼女が与えられるものはそれしか無いみたいに」この二人は絶対に会うべきだ。きっと完璧なカップルになると想像できるけど、頭には疑問も浮かぶ。実際どうなるかわからないし、結局(歌の中で)二人は紹介せれずに何も起きない。彼らの友達二人は実際に出会う事はないし、僕らはそれを納得しなければいけない。まるで宇宙船隊がただ指令に従うように。良きにしろ悪きにしろ、そうなる運命だったんだと言うように。"20 Years"という歌は、誰にも気づかれなかった愛について歌い、"To Whom It May Concern"は熱狂的だけど論理的なスタンスで、どこかに自分だけのソウルメイトがいるはずだ、と歌う。どこかに完璧な人がいて、見つけるしかない。とことん苦労してやっと見つかるのだ※。この曲は時間と空間をぼやけさせ、君はずっと考える。「理想の人なのか?じゃあ、理想の人なのかも。」彼らは「あなたがいなくて寂しいわ/でもまだ会ったことないって?/すごく会いたいわ/どうしても会いたい/ゆっくり毎日をカウントダウンしているの/あなたの名前をやっと知ることができるまで/あああなたが私の腰に手を回す仕草/あなたの笑い方やキスの味を知ることが出来るまで」想像上の喜びと、はちきれないばかりの期待に耐える、なかなか奇妙な苦行だ。このレコードで描かれる愛は、なかなかうまくいかずに、最悪の方向に向かっているみたいに思われる。多分、失敗の結果や要因で愛を探す事をもうすぐ止めたくなるのだろう。そうに違いない。だって愛は究極の存在だから。真っ暗な灯りの中でも、このアルバムはこういう風に聞こえる。愛は来るはず、でもやってくるのは危険で不確かなモノ、或いはもっと最悪なモノだ。The Civil Wars Official Site

※原文は"Needle in the hayshack"。干草の中から一本の針を探すという意味で、「骨折り損をする。」「望みの無い探し物をする」という意味です。



試聴・ダウンロード

セットリスト

  1. Welcome to Daytrotter
  2. Birds Of A Feather(Barton Hollow収録)
  3. Disarm(未収録)
  4. C'est La Mort(Barton Hollow収録)
  5. Oh Henry(未収録)

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