2011年9月11日日曜日

RYAT


A Spa Treatment, Via Locusts

Sep 10, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi

Download









とにかくあっとさせられる人は世の中にはいるものだ。君は何時間も頭を使って「こいつ何者なんだ?」とか、「頭の中どうなってんだ?」とか「なんでそんなこと思いついたんだ?」とか「なんでそれを全部まとめようと思ったんだ?」と解明しようとする。音楽にもこういう事がもっと起これば良いのにと君はしょっちゅう考える。こんな意見が全部の音楽や作家に通用する訳ではないよ。どんなに素晴らしいポップソングでも--わかりやすくてノリが良くて、フォーミュラに従ってる--天才的な技から生まれる事があるじゃないか。何千もの使い古されたフレーズでも、短いフレーズでも、味わい深い物になりえるし、見た所、もしかしたら口の中を潤してくれる出来になるかもしれない。


僕が言ってるのは、フィラデルフィアのChristina RyatとTim Conleyから成るRyatが作り出す複雑な破片と音のコラージュで出来たエレクトロミュージックの事だ。彼らの音楽は普通とは全く違う脳の部分から生まれている。どうしても自分を失った気分になって、彼らの音楽の特異性は何一つも解明できない。一体何してるんだろう?どうやってやってるんだろう?説明できないよ。彼らがどこから来たのか、どこに何を連れて行くのか全く不明。普通だったら出発点が予測出来るものだが、RYATの音楽は何か単一なもので、僕らが元々頭の中に考えているような所にはどこにも所属しない。

彼らの最新作"Avant Gold"はまるで、何百万ものレコードが今のテキサスやオクラホマの厳しい日差しの中に何日も放置されて、全部が溶けて暖かい、ネバネバしたプールを作り出したような作品だ。作品の編み上げ作業はとても才能ある、挑戦的な手工によって施されている。Ryatは酒場のキャバレー歌手の様に--誰かが光の中から出てきて、泥酔中。もう朝が来た事に気づかず、夜仕様の仮装では(日の下では)安全じゃないって事も気づかない--こそこそ歌う。"Time Worn"という曲は僕らが背負っている装備を脱がし、重さが無いとどんな感じなのか知るチャンスを与えてくれる。鳥やナイフ、そして雷が降り注ぐ空の中を飛びながら抜けるのはどんな感じなんだろう。

郊外の友達がある日、僕が住むところのイナゴはいつもうるさいのか、イナゴがキーキー泣き喚いている木を指差して言っていた。その時は彼に「言われるまで気づかなかった」と言っておいたのだが、今考えてみるとRYATが属する場所は多分イナゴが一番うるさく啼く所で、お金を賭けてもいいけど(彼らがココにいた時)彼らもイナゴの鳴き声には気づかなかったはずだ。もし聞こえていたとしても、そこから最高のインスピレーションを見出すだろう。それが彼らを落ち着かせ、扇動された刺激の渦中で、彼らは完全な状態に覚醒するのだ。
RYAT Official Website


試聴・ダウンロード


セットリスト

  1. Welcome To Daytrotter
  2. Time Worn(Avant Gold収録)
  3. Not For This Lifetime(未発表)
  4. Nose Art(未発表)
  5. We Walk Slow, But As Fast As Their RushAvant Gold収録)



0 件のコメント:

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...