2011年9月7日水曜日

Chapel Club


Something Heartfelt Beneath A Sullen Sky

Sep 6, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Matt Oliver
Mastered by Sam Patlove
Translated by Teshi




Chapel ClubのリードシンガーであるLewis Bowmanには本当に欲しいものがいくつかあるみたいだ。それらは簡単に手に入れることが出来そうだが、かなり見つけにくい。つまり実際、非常に入手しにくい。論理的な手法では無理だ。人の手には負えない存在、しかしなぜか不思議にも平穏としている。人はそれを通り抜けることが出来るけれど、触ることは出来ないし何の存在も感じることが出
来ない。ただ少しひんやりした空気を感じるだけだ。ロンドンを拠点に置くバンドのデビューフルアルバム”Palace”で形成されたエネルギーがソフィア・コッポラやデイヴィッド・リンチの静かで哀愁を漂わせたシーン――特徴的な陰鬱なムードが襲う前にキャラクターの心臓の音に焦点が動く所――のように前に打ち出される。人々の大地を動き回る自然な音がさらに強調されている。靴裏が地面の
石を砕く音はショットガンの爆発音のように夜を打ち破り、息を吐き出す音は寝静まった家で紙をビリビリ破るくらい激しい。夜は感覚が鋭敏になり、日中はまばゆいばかりで、それはとても魅力的に聞こえる。だが、そこで嘆いている人々は毎日乱雑な事や糞みたいな戯言に頭を苛まれている。Bowmanは逃げ出すチャンスを欲しているみたいだ。夜の帳の下、すべてと縁を切って一人で暮らして行くために。正直言って、少しタバコの助けも必要かな。彼は”Fine Light”でこう歌う。

「深夜とタバコに万歳!/まるで暗闇なんてそこに無いように、頭を悩ませる問題なんてそこに無いように、戦いを続けようじゃないか/仲間よ、今夜は何も恐れる事も、後悔することも無い/俺が知りたい事/俺が見たいもの/それは丘の頂上を横切る光/海面を照らす光/君を他の眠りから覚ますあの光を輝かせろ/深い所に飛び込む君を照らし出す光を輝かせろ/良い気分になるだろ?/ここに横たわってこの瞬間が君のものだって分かるのは.」

Chapel Clubが組み上げるのは例え嫌々でも強制的に生き方を決められるという残虐行為に飲み込まれた人々の物語だ。たとえそれを受け入れる事が出来なくても、外側へ何の問いも無しに引っ張り上げられる(多分誰もが知らず知らずに引き込まれている所だ)。Bowmanはこのような場面に対し、夜のそよ風と「オオカエデに体は揺らされる」事について歌いながらさらにクリアな考えを差し出
す。彼は途方も無く広い空を夢見る。ずっと見つめていると自分が小さく思えたり、死ぬ存在なんだなと感じる。けれど、ちっぽけな事に対して落ち着いて、コントロールを執ることが出来るように感じるのだ。”After The Flood”という曲では松の木に思想が向けられる。Bowmanは、

「トンネルから出てくる時の事を覚えてる。高度が高い土地と低い湧き水が僕らの前に現れたんだ/松の木が考え直した自殺行為のように赤い山肌に垂れ下がっている。そこにずっと保存されて…まるでオリオンが空に留まっているのと同じように」

彼は物事を観察する男だ。足に絡まった鉄の罠から抜け出す方法を徹底的に考えている。たぶん設定を変えれば、戦いは終わるか、ゆっくり進むだろう。ただ今の所、彼は手中にタバコと戦いを手にしている。人肌とゴミの臭いがするような所で問題を解決しようとしている。しかしそこは泥と、沈黙がある所ではないのだ。
Chapel Club Official Site

試聴・ダウンロード

セットリスト
  1. Welcome To Daytrotter
  2. Bodies(未発表)
  3. Roads(未発表)
  4. O Maybe I(Palace収録)
  5. The Shore(Palace収録)


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