2011年9月21日水曜日

EMA



All Those Shaping Scars

Sep 20, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi






サウス・ダコタは悪の巣窟だ。豊かな「悪」の歴史があり、危険なアウトローや風に吹かれて飛んで行く性格の奴らが町にやってきて、問題を起こしては去って行った。存在を証明するため、面倒事と足跡だけを残して。僕たちはコヨーテの州(サウスダコタのニックネーム)の悪人のリストにErika M. Anderson, あるいはEMAをリストに加えようと思う。彼女の得意技は慎重に取り残された面倒事を回顧していくことだけれどね。疲れ切って衰えている時に心の中の悪魔に魂を征服され、そのまま身体を乗っ取られてしまった人たちの物語を。

どうも彼女のダークで素晴らしい歌詞の大部分は自伝的であるようだ。しかし、高校でのゴスのリストカッターの物語は彼女が一度目にしたものだが、自分自身の経験ではないようだ。まるで彼女がマシュー・ブレイディ(フォトジャーナリズムの生みの親)の役目を果たし、シンプルで永続的なメソッドを使って「失われた人々」の痛々しい物語を記録しているようだ。彼女はそういう人々の「痛みの色」を映し出すが、その痛みを決して改ざんしたりしない。痛みはそこに留まり続ける。たとえ何か改善や変更の余地があったとしても、「肉体的や精神的な痛み自身が認められたり、存在し続けたりする必要は無い」などと提案する事なんてないのだ。

彼女の物語は人を萎縮させる出来事を生み出す人生や(もしそれを乗り越えられればだけど)、「終わりの始まり」だと指摘された人生、あるいは問題が連鎖しタフになった時の人生の一ページを描いている。それぞれの瞬間が人生の方向を変更し、その人の人格を形作る事になる。決して去ることの無い不安感、そしてそれぞれの問題が心にささくれを作り、決して自分で治すことはできない。





EMAのデビューアルバムは「私達みんなある程度傷つきながら生きて、人生の内何度か、あるいは何年かはあれこれの出来事に堕落させられるんだ」という考えを甘受している。どうする事も出来ないし、時には僕らに救いさえ与えてくれない。彼女はある所で

「神様だけが間違いを正す事ができる」

と言うが、これは宗教的なラインではない。どちらかと言うと、「そのうち慣れる。ここで我慢して、物事の自然な流れを遮ろうと考えてもほとんどどうする事も出来ない」という意味だ。大抵の場合、何しても違いなんて見られないけど。世界には様々な灰色の陰があるし、直さなければいけない机の傷も色々ある。それぞれ全てが遠まわしに同じ事を言っているのだ。これは君が指で触れて元の痛みを感じようとする「傷跡」だ。Andersonは元の傷に対しはっきりとした記憶を持っているようで、すでに次に受ける傷を予期している。彼女は歌う。

「失敗はどんな味?/私には汚れの味がするわ/どうかお願いだからあっちを向いてくれる?」

君は絶対に目を背けたり、嘆きや叫びを無視したりしない。君は彼女の音楽に耳を向ける。多分それが助けになるから。それか、ただ聞いていたいだけなのかもしれない。
EMA Official Site

試聴・ダウンロード


セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. Marked(Past Life Martyred Saints収録)
  3. Butterfly Knife(Past Life Martyred Saints収録)
  4. California(Past Life Martyred Saints収録)
  5. Fuckin Around (Past Life Martyred Saints収録)


EMA - California (Official Video) from Souterrain Transmissions on Vimeo.

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