The Dreams Of The Dreamers And The Scenic Goodbyes
Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Patrick Stolley, Translated by Nao_ko
通り過ぎるという過程は我々に働きかける。我々に辿り着き、骨と血を旅し、そして皮のように包む。ときどき、我々はまっすぐを見れないほどストレスを感 じることがある。崖っぷちに車で突っ込んでいくような、ハンドルを右に切り正面から橋のコンクリートの縁にぶち当たり火の玉になって全てを終わりにするような衝動に駆られる。こういう時は苦しいし、発散に頼ってしまう。それが、我々をタバコの箱をトントンとして葉を正しい位置までつめる所まで連れて来ている。それが、我々を長時間の寝酒という近所のバーでの罪悪感へ向かわせる。
これらは、The War On Drugsというフィラデルフィアのバンドのレコードを聞くときに考えることとは無関係の感情だ。実際、真逆のことを考える。時に人として、走っている車の窓から犬が頭を外に出すのはなぜか、即座に吹き付ける涼しい風に目を塞がれ頭部と首の毛を撫でつけられる、その魅力は何かと考えたりする。リードシンガーのAdam Granducielと、新作のマスターピース"Slave Ambient"を聴くと、その答えに近づくのだ。それは一線を越え ればストレスと言えるような、高血圧時への慰めである。このレコードは、我々に走っている車の窓から顔を出させ、だから、なぜ尻尾ふりの親友がそうするのかを理解できる、そういうレコードだ。頬をくすぐり、押し寄せる原っぱとにじむ色でいっぱいにさせる。行く先に辿り着けなくなるからしないが、止まるとい う決断をして歩き回らない限り、腕の長さの距離を保って、感覚と思惑の渦の中を泳いでいる。こういうことを哲学的に考えて、この矛盾する到着という概念を受け入れることも出来る。我々の行こうとしている場所、そしてその、景色の中にさよならしてなくなった、永遠に消えた素晴らしきコトを通り抜ける旅。
Granducielが、午後のひと時に紙一枚になって風に吹かれる、という気持ちを書く。酔っ払っていないのに、気持ちいいんだ。 なにか少し良い事が起こりそうな内観に落ち着いたような気になる。―すでに―今さっき起こったことを懐かしく感じる、もう戻ってはこない、もう一度体験したいこと、そして置き去りにするべきもの、個人的な汚れ、我々の指紋が残したモノもだ。彼の歌は、転がってずっと何もしなかった、または何をすることも永遠にない、いつか抱いていた束の間の想いと夢の軽い口付けのようだ。本物の夢追い人の心 には生焼けに聞こえるだろう夢。しかしそれでも彼の歌は、自伝書きが重要だと思わない小さい出来事でいっぱいの、素晴らしい人生のモンタージュに見受けられ る。それでも、それがその人であったし、その人はそうであったし、それで、良かったんだ。
The War On Drugs Debut Daytrotter Session
The War On Drugs Official Site
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セットリスト
- Best Night/I Was There
- Comin' Through
- Baby Missiles
- Brothers
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