Walking The Foggy Graveyards Where Bodies Lay
Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi
発売予定のデビューフルアルバム"Garden Window"に収録された4分30秒のO'Brotherの"Lay Down"は美しく肌を剥いたちっぽけな獣のような曲だ。どこも隠されていない。肌を震えさせたこの獣は何かに取り付いているのか、取り付かれてしまったかのどちらかだ。それを確かめるのはちょっと大変だ。両方とも正解に思えるから。まるで僕らは夢の中にいるみたい。朝起きた時にイメージが頭の中から振り払えないような冷たい夢。頭の中から夢の中で現れた本物のような感情が出て行かない。君はそれに囚われてしまって、胸の中で、血管の中でそのイメージが反響しながら巡り巡っている。止むことなく君の心に影響し続ける。道や廊下を歩いていると人々が君を引きとめて「何かあった?」と聞いてくる。君は彼らに「大丈夫、ちょっと疲れてるだけ。よく眠れなかったし、凄い奇妙な夢を見たせいで変な気分なんだ」と呟きながら答える。食欲もわかないし顔色も良くない。AtlantaはGeorgiaのバンドのリードシンガーTanner Merrittは確実に僕達がこの曲の熱をすぐに忘れてしまわないようする。いやこの曲だけじゃなくて、素晴らしいデビューアルバムの殆どの部分で。この作品はこの若きバンドがいつのまにか現在アメリカのバンドとして絶対目が離せない存在になった理由を証明している。
Merrittはこう歌う。
「疲れた手を地面につけておきなよ/血は君が縛りついた地面に栄養を与えるのだから/そこに僕は横たわるんだ」
そしてすぐに僕らの目の前にはあの頭を落とされた馬に載った騎士がシーンの中を通り過ぎていくのが見えるだろう。まるで南北戦争の墓地の地面に立っているみたい。それぞれの闘いに敗れた戦士達の名前が刻まれた墓。桃の木の下、野原や池のなかで血を流し、もう消えてしまった命によって水を赤く染めた。全て自由と愛国心のために。似たように冷たくて、同じ石から彫られた墓。ぎっしり詰め込まれたこの敷地には厚い霧がかかり、ここにいるのは僕達だけ。カラスが傍観者の様に木の上から見つめているこの場所で、僕らは全てを飲み込んだ。それはまるで僕らが魔法にかけられた庭、あるいは休息所への入門が許可されたようで、そこはきっと誰もが死んでいるか生きているかだろう。なにか有害な所にいる感じはしないけれど、ここにいてもいいのかと感じている。だから僕らは警戒心を鎮めず、なるべく落ち着いた気分でいようと努力している。O'Brotherはそれの手助けを大いにしてくれるし、確実に僕らが内省的で陰鬱なふらふら感をもったアンセミックで勢いの良い曲に体を横たわらせ、ショックを和らげるようにしてくれる。彼らは僕らの心を高揚させ続け、まるで僕らが有害的な方向に留まっているように思わせる。けれど同時に安全な気分にさせ、それは僕らが夢の中を歩いている時と同じような気分だ。そして僕らがギリギリのところにいて、まだ酷く緊張する可能性はあるけれど、自分たちのことは全然見失っていない。O'Brotherこそがぞっとさせるものの象徴。彼らこそが決意を持って心を振るわせる音楽の制作者で、君の胸の内を明かす次の出来事が何か君にずっと考えさせる。それが恐怖に体を強張らせるだけかもしれない。
O'Brother Official Site
試聴・ダウンロード(月々$2のメンバー登録が必要です)
セットリスト
Welcome to Daytrotter
Ascension
Division of Man
Easy Talk (Open Your Mouth)
Lay Down
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