A Miniseries Of Histories Buried In Miseries
Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi
Casey CrescenzoとThe Dear Hunterが僕らを今連れて行こうとしている場所に向かう覚悟を決めるのは簡単なことじゃない。彼らが引き起こす予想も出来ない展開に前もって対処することはできない。それは初めてタトゥーをいれる時どんな感覚がするのか実際経験してみないとわからないという時の感情に似ているに違いない。他の人が腕や脚や、股や首やいろんな部位にタトゥーをいれているのを見て、あの針が肌を貫くのがどのような感じか想像してみる。でも現実に針を自分の体にいれてみないことには分からないし、全部偽者のフィクションの世界だ。下手糞なタトゥーショップや自己流のタトゥーなど標準値にすら辿り着けない存在も忘れちゃいけない。リアクションは同じくらいはっきりしないだろう。
The Dear Hunterが僕らを連れて行くのは、厳しい気候の場所だ。僕らは常に右か左か出口を求めてきょろきょろしなくてはいけない。その戦略なら南に進めばこんなクソみたいなところから出られるから。彼らの音の中にはピュアで健康的な情熱がたくさん溢れている。何か強大な感情に血が熱くなっていて、大抵その情熱は良心的な所から湧き出ている。でも事態がどのように突然燃え上がって問題が膨らむか僕らはみんな理解している。情熱が引き起こす罪の数々は残忍でもあるし、恋愛はやばいくらい気味が悪くて問題だらけになる。彼らは愛しすぎているだけなのだ。激しすぎるのだ。
Rhode Islandの首都Providenceのバンドは「感情が激しすぎて身体的にダメージを受ける」のがどのような感じかデモンストレーションをしてくれる。このグループの発表した野心的でカテゴリーにはめ込み難い作品で見られる幸福感の全ての中にある2オンスの「痛み」が全てをぶち壊しているのが分かるだろう。わかってる、全部が全部めちゃめちゃになっていることはない。けどほんのちょっとは確実に被害を受けている。痛みはどんどん複雑になっていき、時にはそれが僕らが他人との干渉に望む姿そのものに変わっていく。そのシンプルな干渉に楽しいものはどこにもない。そこには衝突と決意があるはずだ。中々良いものを手に入れるためには戦わなければならないし、Dear Hunterの音楽が連れて行くのはそういう恐ろしい通路なのだ。綺麗な庭に辿り着いたと思えば再び落下。地面が抜けると共に僕らは頭がもげるほど叫び続ける。僕らは"He Said He Had A Story"のよう曲でもてなされる。どうも誰かが売春婦を買うストーリーのようだ。それはベッドの上で誰かが片方に大変偏った欲望を金で交換するということだ。この男はすべての動乱と襲撃のなかに天国と地獄があることを知っている。彼は彼女の懇願を聞いている。
「お願いだから私に優しく接して/わかるでしょ?人生上手くいってないの/悲しみの中に埋められた過去を持っていると大変よ」
彼が今頭の中で何を考えていることがわかるだろ?彼女の困難とは全く関係ないことを考えてる。Crescenzoはこう歌う。
「彼女はたくさんの愛を持っていた/その全てを手に入れる覚悟は出来ていたんだ」
それはビジネス上の会話。二人とも同じように裸になっているが、それぞれ別の理由をもってこの場にいるのだ。ここでは全員がじぶんたちの問題に対面している。どんな方法であろうが、一人一人が問題を乗り越えなければならないし、それがこのバンドが引き出す全ての要素に反映されている。つまりそれは屋根の下に、そして骨の奥に降りかかる全てのキャッチ22的状況※のほろ苦いバランスなのだ。いい人間であるために、幸せを掴み、何があっても諦めないと、人を唖然とさせるほど願うのだ。そうすれば叫びも、引き裂きも、嵐も、泣くことも愛することも全て正しく、誠実なものに思える。
※キャッチ22とは
The Dear Hunter Official Site
試聴・ダウンロード(月々$2のメンバー登録が必要です)
セットリスト
- Welcome to Daytrotter
- The Dead Don't Starve
- Red Hands
- Home
- The Inheritance
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