2011年11月6日日曜日

Pepper Rabbit


The Traces And The Dust Of The Dawnings

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi































Pepper Rabbitの曲"Dance Card"の導入部は僕のほぼ毎日の目覚めの方法のようだ。完璧に目覚めて、また新しい日がすでにやってきて僕らを打ちのめしていると気づく前に、ちょっとした瞬間がある。それはあのつかみ所のない夜明けの時間帯。その瞬間起きている事を半分信じ、半分嫌っている。僕らはそこに横たわって、全身の力を使って二度目の睡眠に入ろうとする。たとえ朝の光がブラインドの下から差し込んでいても。目に映るものが全てはっきり見え始めたら、それは悪いサインだ。もう夜は開けてしまったし、枕元へ沈み込むには目覚めすぎてしまった。

そう、そういう瞬間に聞こえてくるのはこのデュオの新作"Red Velvet Snow Ball"に収録されたこの曲の始まりに導入された電子音のチャイムだ。その音はそんなに長く続かない。僕らが願っているほど長くは決して無い。一日の始まりに僕らが願う事は一時的救済以外なんでもない。静かな家を包み込む「静寂」をもう少しだけ長引かせてくれる何かが欲しいだけなのだ。20秒間のチャイムで一日のウォームアップを終えたあと、Xander SinghとLuc Laurentは大砲に足を進める。Singhは力強いオルガンと音が響き渡るエコーがかかったバーストを携えていて、それはまるで誰かが誰かがシャツの後ろから、暖まった背中に直接氷を投げ入れるみたいだ。それに倣ってLaurentはピシッと厳格に、心臓をドキドキさせながらキットを操る。それはまるで雲がベッドルームに嵐を呼び、ベッドに、君の体や頭の上に降り注ぎ、まだ目覚めきってない強ばった体と骨や筋肉からカバーを引き裂き、目の前に日の光を急に投げかけているみたいだ。急かしている訳じゃない。包囲攻撃をしているんだ。とっとと起きなよ。

ロスアンジェルスに活動の拠点を置くPepper Rabbitを夜明け前や夜明け後の時間帯と関連させてもいいと思う。特に彼らの最新作で見せた曲の作りの考慮したらね。もっと静観的で、しかも熟考する幽霊のようにも聞こえるし、現実のものでもない記憶のフラッシュバックがあるようにも思える。それは君が目覚めた瞬間の破片と面影なのだ。起きなければならない時間帯の間では現実のように思える夢の景色の跡と塵なのだ。Singhはこういうヒラヒラした半分現実ではない経験の断片の周りに(音楽を)構築し、一緒にそれらの破片を喜びに満ちたフェイドアウトに変えてみせる。それらは雲の中でエネルギーに満ちた状態で目覚める事なく、夢の物語の景色を失う事無く、静観を感じるのだ。
Kanine Records Official Site

試聴・ダウンロード(月々$2のメンバー登録が必要です)

  1. Welcome to Daytrotter
  2. Red Wine
  3. None Shall Sleep
  4. Harvest Moon
  5. Babette!
  6. Dance Card
  7. Annexation of Puerto Rico
  8. Murder Room
  9. Older Brother



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