2011年10月31日月曜日

Wilderness of Manitoba



It's The Birds And Their Southward Pull

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Patrick Stolley, Translated by Teshi


































ある日僕は秋について書いていたら夢中になって止められなくなってしまった。しかもかなり時期尚早に。でもそういうのも馬鹿げてるかもしれない。何故かと言うと、それはエネルギーの一部がみんなが(最低でも)二番目にお気に入りの季節のニュアンスについて考えることに使われても良いって言っているようなものだから。秋はたとえお気に入りではなくても、みんな好きな季節だよね。ずいぶん長く座って、ここで録音したThe Wilderness of Manitobaの4曲(全て彼らのデビューアルバムに収録されている)聴いていると、全てが間違っているような気分になる。僕が昨日書いた全ての原稿は無駄になった--ホットチョコレートとりんご酒、枯葉を踏む音とか他のゴミみたいな文章。その時は良い感じに見えてたのだけれど、でも実際僕の文をしっかり味わってくれる人がいるとしたら、分かってるだろうけど、The Wilderness of Manitobaだ。ああ、彼らだったらきっと秋の豊かな色彩や落葉のことを楽しんで読んでくれただろうし、きっと頭の中で自分達が枯葉の山に跳び込んで遊ぶ所を想像してただろうな。それ以上何を言ったらいいか分からないってわけじゃないけど、ちょっとだけずるしてる気分になるんだ。このトロントのバンドがあのエッセイを読んで、「これ、僕らのエッセイにぴったり」って思わなかったなんて偽ることはできない。

このバンドはScott Bowmeester、Will Whitwham、Stefan Banjevic、Sean LancaricとMelissa Daltonで形成され、彼らはきっと自分達のりんご酒のスパイスにはこだわりを持っているはずだ。きっと帽子、スカーフ、手袋のストックがいくつも箱に詰められていて、その箱を引っ張り出すその日まで一年中一分毎にカウントダウンをしているのだ。彼らは薪から出る煙を、まるで冬に向けて支度をする痩せこけたネズミのように体中に沁み込ませるのが楽しみでならない。"When You Left The Fire"に収録された音楽は10月の半ばから終わりにかけてやってくる夜の時間へのサウンドトラックだ。その時期は紅葉がピークを迎え、作物は埃を立てながら収集され、太陽が地平線に消えた途端、気温は急にスイッチを入れるみたいにグンと急激に低下する。空が暗くなるとすぐにパリっとした美しい秋の冷えが何のお咎めもなく地上に降りてくる。僕らはフードをくいっと上げて、コートのジッパーを締める。上着を忘れてしまったらちょっと震える。そして雪が降り何ヶ月かがゆっくりと進む時に僕らが成り果てる「冬眠モード」を少し感じるようになる。これらは冬に備えてやってくるもので、こういう日々は徐々に少なくなってきて、もう少ししたら良い事もなくなるという警告だ。僕らはこの先本物の寒さに悩まされるんだから。そうなると以前の空気の触感を懐かしく思い、あらゆる方法で熱を集めようとする。どうもThe Wilderness of Manitobaの言葉もその考えをかき立てているみたいだ。彼らの牧歌的なフォークの音色にチクタク時計を連想し、まるで何か一時的な死を予感しているみたいだ。死はやって来る。僕らは死は絶対やってくるってわかっているのに、同じようにそれを嘆いてしまう。それは確かに枯葉のことだろう。しかし一番打撃を受けるのは衰えた僕達だ。僕らは再びその時を待って、また来年までカウントダウンを始める。
The Wilderness of Manitoba Official Site

試聴・ダウンロード(月々$2のメンバー登録が必要です)

セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. November 
  3. Hermit
  4. Summer Fires
  5. Orono Park



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