For The Cider, The Cocoa And The Nip
Oct 20, 2011
Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Julian Dreyer
Translated by Teshi
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Julian Dreyer
Translated by Teshi
僕は西海岸で起こる季節の変わり目がどんなものか良く分からない。特にカリフォルニアはね。でも、なんとなくVetiverのAndy Cabicは幼い頃にNorth Carolinaで過ごしたせいか、西海岸の季節感を理解しているようだ。歩道は寒くて剥き出しの 冬に備えて木から舞い降りた黄色く紅葉した葉っぱで華々しく輝いている。まだ少し息が続いている(ほとんど死んでいる)葉っぱの毛布はそこに横たわり、元気一杯の子供達の駆け足で乾き、宙に舞い上がるのを待っている。僕らは行く先にある葉っぱをホップしながら蹴り上げて、四つある周期的な、はっきりとした季節の違いを笑顔で噛み締める。
Cabicは毎年秋を楽しみに生きているのだな、と感じ始めた時、僕らは彼の気持ちが何となく分かるようになる。彼は手袋をした手でしっかり発泡スチロールのカップに入ったホットチョコレートを包みこみ、そこから吹き上がる香りを吸いこむ。目を閉じて甘い香りと暖かさを味わい、もう一年ほどクローゼットの奥にしまいこんだセーターを引っ張り上げて、いつもより上から服を重ねられる日を楽しみにしている。それを着ていると本当に心地良いし、それが待ち遠しくてたまらない。Vetiverの音楽は冬の季節に登場する甘い林檎酒のようにスムーズで心を和やかにし、一口飲んだだけで体は芯まで温まる。それが喉を震わせ、いつの間にか僕らは溌剌と元気になるのだ。鼻と耳を刺す寒さは何とか耐えられる。
彼は音楽を焼きあがった色--完熟した林檎の燃え上がるような赤、ブラッドオレンジの月明かりのようなオレンジ色と深い黄色--で染め上げる。まるで夜が長くなり、白い息が出るような寒さが僕らを屋内まで追い込む時の音が蘇ってくるようだ。白い息は頭や口の周りを飛び交って僕らに話しかけているみたい。まるで彼は焚き火やそれを囲む仲間たちのことを考えながら曲を書いているようだ。(焚き火は)特に急いでどこにも行く場所が無い時、仲間と恋人達が集まるには最適だ。そこで笑顔やハグが交わされる。君の事を大事に思って、絶対に君を離したくない人たちからの真実の愛情表現だ。この笑顔とハグを時には空っぽの目を輝かせながら思い起こす。そして君は頭の中のモヤモヤと記憶を振り払い、君が作った炎は小さいくすぶりになるまで燃え尽き、寒さでつま先が感じられなくなっているのに気づく。だから君は中に入って、まだホットチョコレートとあったかい林檎酒が残っていないか確かめに行く。
Vetiver Official Site
Sub Pop Records
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セットリスト
- Here Tonight(未発表)
- Worse For Wear(The Errand Charm収録)
- Wonder Why(The Errand Charm収録)
- Wishing Well(未発表)
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