2011年10月13日木曜日

GIVERS


The Sweet Exhaustion Of Living

Oct 12, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi




ルイジアナ州のGIVERSのデビューフルアルバム"In Light"を聴いているときに春の季節を考えないのはとんだ勝負事だ。僕らはよく彼らが持ってくる水やりのじょうろやスプリンクラーについて思い浮かべたりする。庭の端の蛇口に繋いだ長い緑のホースには力強い水の流れが詰め込まれ、新しく耕作された大地、あるいは「水をくれ」と乞う芝生に水分を与える準備が出来ている。飲み水を与えたり、新しく物事を考えさせたりもする。僕らは小さい土の割れ目の中に愛らしく蒔かれたタネの事を思い浮かべる。タネは上から(土の)蓋がされ、培養の墓としてそこに埋められ、蓋を突き破り地上に出てくる誕生の日を待ちわびている。そんなに力まなくても、僕らは地下に蒔いた「もうすぐ生命を得る」モノ達の事をしっかり心の隅において、指とつま先をクロスさせながら※太陽までの道のりを彼らがちゃんと見つけられるように願っている。彼らは太陽の存在すらまだ知らないけど、毎日一日の半分はお日様の温もりを実感している。そうするといずれ彼らは深夜の寒くなる時間帯に驚くはずだ。最初に芽を出して地上に出てきた時は今まで以上に四肢に感覚を得るから、(温度の違いを)すごく不思議に思うに違いない。

GIVERSは僕らに蒔かれたタネたちは感情が芽生え始めると思わせる。また、タネと一緒に土の中に埋めた信念を僕らに感じさせる。タネのために何かしてやれるわけではないけど、彼らに基本的な事は教えておかなくてはならない。時が教えてくれたのだけれど、君達は自分の力で土の中から起き上がらなくてはならない。君が果物や、作物や、野菜、何になろうとも。それは人間でも同じだ。人々がA地点からB地点に辿りつく為にしなくてはいけない事は、誰もが知っている。それは目に見えない信念だ。同時に、大半の人はC地点からZ地点までは全部ぐちゃぐちゃになっていて、各ポイントは旅立ちの防波堤と真実のゴール地点の間に適当に設置されていると意外と早く学んでいるものだ。その間にたくさん成長して、たくさん学習して、たくさん失敗して、たくさん溺れて呼吸困難になる。比喩的な果実を実らせることが出来る何かになると感じられる場所へ誰よりも早く辿りつくため、その場所を求めてたくさん探し回らなくてはならない。



GIVERSの音楽にはこのような生きた血がフルに流れ、それは体の中から搾り出される重たい果肉が筋肉が繋ぎ合わさる場所へ辿り着く。そしてCARPE DIEM(その日を掴め※)と怒鳴る。まるでTiffany Lamson、Talor Guarisco、Kirby Campbell、Josh LeBlancとKick Stephenの五人はその言葉を何度も何度もタトゥーのように心に刻みつけられ、この9文字の単語を無理やり見せ付けられ、スペル通りアレンジし、そのフレーズの意味とそれに毎日どう従っているか、フルに体現しているか、考えを思い巡らせているみたいだ。"In Light"でそれを聞くことが出来る。「立ち上がって無気力さを振り払い、一日を楽しもうじゃないか」という必要を。クソ、手足を限界までストレッチして生を感じろよって事だ。LamsonとGuariscoはアルバムの中でこう歌う

「でもその間にお手上げになったらいけないよ/「その間」なんて存在しないんだから」

つまり全て同じ事を言っているのだ。「クソ、生を感じろよ」と言い換えてもいいんじゃないか。そして自ら来た道を引き返して、遠くまで道を外れて進んで行ったほうがよさそうだ。輝く笑顔や、非情にピュアで人為的な疲労が取り残される場所へ。
GIVERS Debut Daytrotter Session
GIVERS Official Site

※Keep fingers crossed.というのは人差し指と中指をクロスさせて「~が叶うと願っている」というジェスチャーです。

※CARPE DIEMというのは古代ローマの詩人ホラティウスの詩に登場する語句です。

試聴・ダウンロード

セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. In My Eyes(In Light収録)
  3. WordsIn Light収録)
  4. Atlantic In Light収録)

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