2011年6月14日火曜日

Bon Iver Interview Part II
















Pitchfork(以後PF)
For Emma, Forever Agoや、Bon Iverの活動の前に、あなたは様々な名前でいろんなプロジェクトをしてきました。この新しい装いは多分違った物になると分かったのはいつですか?

Justin Vernon(以後JV):ある午後にChristy(Justinの前の彼女でアルバムにも参加した)のところで"Flume"を書いた時、すぐに気違いな感じがしたんだ。今までこんな曲書いた事無かったから。あの新しいファルセットを練習してたんだけど、ぜんぜんうまくいかなかった。本当にぐちゃぐちゃな感じがしたんだ。あの春はたくさんの曲を作ったけど、"Flume"を書くまでは全然まとまらなかったんだ。

PF:Christyが以前僕に、あなたが"Skinny Love"を初めて彼女に歌った時、自分の事についての歌だと気づいたと教えてくれました。Christyや、特にあなたの元カノのSara Emma Jensenについて公共の場で話すのに時間がかかりましたね。なにがあなたに彼女達について話そうと思わせたんですか?

JV
:話すことは怖くない、けどさどうやってそれが真実だと保障できる?"Skinny Love"がChristyについての曲だって言うのは全部が真実じゃないかもしれない。僕らは付き合っていて、彼女がすごく大切な人だったから長い間一緒に暮らした。でも、あれは僕が経験したリレーションシップの瞬間についての曲なんだ。君はだれかと付き合うのは助けが必要だからだ。でもそれが理由で誰かと付き合う必要なんてない。それがSkinny(軽薄、薄っぺらい)ってことなんだ。その愛には重みが無い。薄っぺらい愛(Skinny Love)には中身がないからチャンスがないのさ。

PF:物語は事実から始まりますが、時間をかけると事実が曲げられた伝説になりえます。例えばあなたが"Jimmy Fallon"に登場した時に、彼はあなたの父親の別荘がBon Iverという名前なのか聞きましたね。あなたがFor Emma, Forever Agoの製作の真実を無視して、"Fuck it(どうでもいい)"と言わなければならない時がありましたか?

JV:うん。僕は真実の理解を心配するのが自分に撮ってに重要じゃないと気づき始めた。まるで高校時代の巨大な比喩みたいな感じだよね。みんなが決まった事を思ったり言ったりする、それで色んな噂が電話なんかで変に大きく伝わって、突然誰かが最低な奴とか人種差別だとか呼ばれる。僕が知りたいのは、僕がどんな風に理解されようと、僕は僕として生きて行けるかなんだ。でも話が間違って伝わるのは面白く思ってるよ。たとえインディーロックの世界でも、企業の鬱陶しさからの独立と真実を掲げている世界であるべきなんだけど、セレブのやっかいな扱いを受けるんだ。

PF:作家のDavid Sedarisが彼の友達や家族に彼らの事についていずれ題材にすると、伝えなくてはならないと書いています。それがどれだけ不愉快に感じられても。あなたがBon Iverで書いた曲を考えると、曲が何らかの理由で有名になる前に、先に友達に謝っておかなければと考えることはありますか?

JV:それは考えた事無かったけど、Emmaではみんないつも「アルバムが売れてから、曲に登場するキャラクター達について考えた直したことはある?」って聞く。その度に僕はこのアルバムは何よりも僕の事が描かれているんだって言わなくてはならない。Emmaは一人の人間ではなくて、場所であって時間なんだ。現実はね、もし君に自分が誠実になれる友達がいるとする、そしてその誠実さが真実を引き寄せる最大の磁石になるんだ。曲に登場する実際の人たちと会話をすると、不愉快だったり気まずいかもしれないけど、僕らはお祭りの愛らしい場所にいるような気がするんだ。特にこの新しいアルバムでは、彼らについて「ヤッホー!」っていう感覚しか浮かばないな。





"For Emmaを作った時、僕が、座って、自分のために何か美しい物が出来るのかを知る最後のチャンスだった"

PF:新しいアルバムの歌詞はテーマに巻き付くように印象的ですが、また生のディテールを地に着けるように加えています。作詞家として、その作詞方法の魅力的な点はなんですか?

JV:Richard Bucknerの感じ、それが僕に一番影響を与えている。彼の言葉は音だけで殆ど意味を持たない、けれど僕にはそこにすばらしい意味があるのが分かる。彼の"Loaded at the Wrong Door"は、とても心を打つ美しくてヘヴィーな歌詞があるんだけど、実際に何の事なのか説明できないんだ。それでも彼の言葉に強烈で個人的なつながりを感じるのは、言葉がしっかりと流れ出ているからだ。

Bob Dylanはいい歌詞を書いたけど、彼が最重要な作曲家の一人と言われるのには評価されていない理由があって、彼の声が言葉とうまくマッチしているからなんだ。彼は言葉をラップする。Neil Young/Bob Dylan/Indigo Girls/John Prineなどの主観的な作曲家の中で成長してきて、僕には彼らの力がないし、真似出来ないし、まだまだ探求しきれてないんだってやっと気づいた。

"Flume"で無意識に理解したことが、僕にもっと意味を与えてくれた。僕らがライブで演奏する時、"Flume"にはまだ一番夢中になるね。あの曲のイメージはもっと神秘的で、それでも僕には視覚的に見えるんだ。この新しいアルバムでは、かっこ良く聞こえる言葉と奇妙な感情があるような、普通じゃない風景を構築しようと試みた。今回は歌詞にすごくこだわったんだ。言葉を大切にしないと無茶苦茶になるからね。ただ「うまく聞こえたら、それでいい」なんで簡単に言ってられないよ。本当に深く追求したかった。一ページに書けなくなるまで書いて、見映えが良いか確認した。読むって意味でね。

PF:アルバムがリークした時に、その意味が分かりました。あなたは気にせずに、ネット上に歌詞を載せましたよね。そうすることで作品の意図を理解してもらうようにに。

JV:そうそう、リークしちゃったんだよね。もう外に出てるんだ。僕も音楽を盗んだ事あるし、やった事が無い人いるのかな。でも、もしそれをするなら、ちゃんと本当の歌詞を読む機会を持ってほしいんだ。オンラインに間違った歌詞が載ってるのが僕大嫌いだから。どういう風に解釈してもらっても構わないけど。少なくとも本物の歌詞でやってほしい。ちゃんと意味があるものなんだから。

PF:あなたは以前作詞家としてかなり慎重でしたが、今では自信を得たように見えます。このアルバムの歌詞製作で一番誇りに思っていることは?

JV:"Calgary"は個人的に本当に成長を感じさせてくれた。型があって、繰り返しのアイディアがあって、良い韻律がある。最初のラインがとても気に入っているんだ。「僕を可愛がって眠りにつかせないでくれ」ここには恋愛の全てが含まれている。誰かを愛する事ができるけど、彼らが絶対的な愛を止めた時、本来の姿を無くしてしまう。危ない事だよね。

PF:誰かとの付き合いに慣れると、あなたはどういう風に自分を保ちますか?

JV:どれだけ誰かを大切にしようと、夜一人になった時にその人がいなくても、自分自身に満足できないといけない。それに気づく事が大事なんだ。君が孤独でエモな男の子だと難しいよね。でも出来るよ。誰もが幸せを持っていないと。もしそれがないなら、誰かと付き合う事なんて出来ないよ。お互いを松葉杖で支え合う事になる。でも、僕は思いっきり間違ってるかもしれないな。【続】

原文→Bon Iver Pitchfork Interview

Part I
Part III
Part IV



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