2011年6月22日水曜日

Bon Iver Interview Part III

Part III















PF
:歌詞が大事だと言う事ですが、このレコードは歌詞や作詞のアイディアが音楽から生まれているように、先ず音を重視しているように感じます。For Emmaはそれと全く反対で、まるで言いたい事が合ったから音楽を付け足したような感じでした。

JV:君が言ってる事は間違いじゃない。もうギターを持って座ってるだけじゃインスピレーションが湧かなくなったんだ。もうなくしてしまった。もっと他の音楽に興味を持つようになって、もともと聞いていた音楽、Bruce HornbyからCharlie Mingusまで全て一つにまとめようって思ったんだ。なんで僕はこういう作品が気に入ったんだろうって模索をしていた。機材の点では、僕は音を一から作り上げたくて、それを曲に取り入れたんだ。例えば、"Perth"のリフはギターでファズを立てて、Neil Youngや僕らがLand Of Talk(Vernonは2008年のSome Are Lakesのアルバムをプロデュースした)でやったような暖かいディストーションの効果を作ろうと思って出来たんだ。楽曲は、音の風景から始まり、歌詞ができて音楽になった。全曲少なくとも一年かかったよ。

多くのアイディアはCollections of Colonies of Bees(Volcano Choirのプロジェクトで)と働いている時に生まれて、作曲を失敗から始めてみて、やりたいことは何でも試してみて、Olson(Vernonが参加したソフトロックバンドGayngsのリーダー)がどうやって編集するのか見ていた。何を完成させるかじゃなくて、どう全てをまとめるかなんだって分かった。Olsonはこう言っていたな。僕も今ではよく使っているんだけど。そう、「リーガル」なんだ※。"おい!リーガルだなそれ!」って感じに。僕がコックロック※のギターでふざけてたら、あいつがそれにディレイをかけて、自分が面白いように配置を換えるんだ。それを「リーガル」って呼んでた。

※Legalは適法な、正当なという意味があります。法律に関する言葉ですが、Legitimateと同じように、「イイね!」という感じに口語的に使っているのかも。
※Cock Rockというのは男性の攻撃性を前に打ち出したロックのこと。The Doors,Rollins Stone, The Whoなど。Led Zeppelinはコックロックの重要な先駆者と呼ばれています。ハードロックとも言われます。

PF:GayngsのRelaytedでもBon Iver, Bon Iverの我慢強く良く練られた音を聞く事が出来ます。

JV:レコーディングの時に僕が尊敬する人たちから学んだ点でいうと、このレコードに関してはOlsonとKanyeには影響を受けたと言えるね。彼らはたくさんのアイディアをうまくまとめようとやる気があって、楽曲にどんどん変なアイディアを加えさせたんだ。最初はうまくいかないようなことだけど、最終的には寄り合わせたりねじ曲げる事で機能させることができるんだ。僕は彼らが演奏するよりも、監督しているところをよくみていた。

僕がKanyeやGayings、Volcano Choirでやった全てのプロジェクトでいろいろ教えてもらったよ。三年間このアルバムの楽曲に作業していたから、続けながら学んでいったんだ。"Calgary"は最初何の知恵もなく書いたけど、完成した時は彼らから学んだ事を取り入れた。あの曲では、キーボードのパートを導入して、何回も何回もペーストしていった。歌詞は一年かけて考えたよ。いまいちな曲だと思っていたんだ。で、(Bon Iverの)Matt McCaughanがスネアドラムのパートを演奏して、それでブリッジのアイディアが浮かんだんだ。そしてギターの部分を加える。ツアーとサイドプロジェクトによって、音をまとめることができたけど、うまく時間をとることができなかった。だから楽曲のスケッチと一緒に路上に座って、感情的にどう変わるか待ったんだ。


"I don't find inspiration by sitting down with a guitar anymore. I lost that."


PF:この四年間でたくさんのプロジェクトに参加していましたが、その中で抜きん出ていたものはありましたか?たとえば「すげぇ、俺がこれやったの?」ってやつは。

JV:Kanye Westのファンだったから、彼と仕事するのはやばかったなあ。GayngsのOlsonと作業したのもやばかった。彼は僕のヒーローだからね。でもSounds of the South(VernonがAlan Lomaxの古いフォークとブルーズの録音を前のバンド,MegafaunのメンバーSharon Van EttenとジャズビッグバンドFight the Big Bullと一緒にカバーしたプロジェクト)が面白い事に僕が今までやった中で一番音楽的にやりがいがあったな。また彼らと演奏できたし−−−僕にとってとても大事な事だった−−−アメリカ音楽に触れる事が出来たしね。

PF:あなたは前のバンドメートMegafaunのBradとPhil CookそしてJoe WesterlundとSongs of the Southで一緒に演奏して、DeYarmond EdisonとしてSXSWで再結成しましたね。もうあなたたちが一緒に演奏しないだろうという時期があったのですが、なぜ解散したのですか?

JV:もう解決したんだよ。僕が経験した中で一番強烈な解散劇だった。あれ以上に深いことを乗り越えるのは経験できないよ。色んな人との10年間の関係を築いたのだから。解決に時間がかかったんだ。Megafaunが"Find Your Mark”を演奏しているとき、泣いてしまったのを覚えている。うぬぼれかもしれないけど、僕の事を歌ってるように感じたんだ。それを聞いて、「最悪だ。誰かを傷つけてしまった。」と思った。僕らは本当に本当に良い友達だったから。でもまだあの曲のことはまだ聞いてないよ。

でも、今はMegafaunが大事なバンドなんだとみんな気づいたんだ。この数日彼らの新しいアルバム(Justinのウィスコンシンのスタジオで録られたLP)をずっと聞いてて、女の子みたいにヒーヒー泣いちゃったんだよ。悪い所が無いんだ。それで、今僕らは一緒だから、新しいバンドかプロジェクトをやろうか考えている。どうなるかははっきりしていないけれど。ちょっと時間をかけて考えてもいいだろう。

PF:あなたのお気に入りのミュージシャンが何人かBon Iver, Bon Iverに参加していますね。ここまで広がった物になると気づいたのはいつですか?

JV:二年くらい前、気に入っている骨格しか出来ていない曲があることに気づいたんだけど、どうやって肉付けしようか考えていた。KanyeとGayngsと働いて僕の頭はかなり柔らかくなっていたから、「ああそうさ、僕がミュージシャンを呼んでみてどうなるか確かめてみよう。」って感じだった。ダブルサックスのEllingtonとか、他のゲストも僕の所に来てくれた。だから(ペダルスチールギターの)Gregと(サックス奏者)Lewisと(サックス奏者)Colinの僕が大好きなサックスプレイヤー二人を呼んでみたんだ。いいだろう?次にこれ以上の機会を得る事が出来るのはいつだと思う?多分絶対にないよ。

PF:このアルバムには自分の限界点を突破しようとあなた自ら背中を押しているような要素が見られます。For Emmaにもゲスト奏者はいましたけれど、確実にもっと孤独感がありました。今回違ったプロセスを試すことはあなたにとってどれほど重要だったのでしょうか。

JV:ぼくがFor Emmaを作り終えて、Blood Bankを発表したとき、次の作品はかなり違った物になると分かっていた。例えば"Perth"は2008年にレコーディングを始めていたんだ。JagjaguwarからFor Emmaが発売される前の事だったんだよ。どんなアルバムを作る事になったとしても、"Perth"は一曲目にするってすでに決めていた。

"Bon Iver is about the opportunity to never have to worry about being something someone expects you to be-- you just have to be who you are."
【続く】

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