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2012年1月28日土曜日

AM & Shawn Lee


We Just Sip The All Of The Weather

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi

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ある決まったバンドや作家達が、僕に天気についてどれほどブツブツ文句を言ったり、深く考えさせたりするのは怖いものがある。確かに、これはただの個人的な欠点だったり、何か僕が非常に恥ずかしく思うべきものなどではない。かなりの確立で起こっていることだ。あの曲やこの音の聞こえ方は、木だったり、開け放たれたスペースだったり、立ち退きを命じられた夜の時間のハイウェイをでかいソーダとつまみのビーフジャーキーを持ち込んでドライブしたり、がやがやと忙しい街や、僕らが常に引き篭もっていたい場所から外に出たときの風や太陽が身体に当たる感じ、それらを思い起こさせる。もしかしたらこういう「衝動」は自ら生まれるものなのかもしれない。何故って、それが好きか嫌いか関係なく、僕らは天気に囲まれているのだから。天気があっちこっちで飛ばしてくるわけじゃない。でも、ここら辺ではあまり影響はないみたいだし、あそこでは絶対に何も起こらない。イエスかノーか。素晴らしいソングライティングもそのように生まれる。とにかく身体に完璧に作用する。全身マッサージか、あるいは全身を動揺させるものか。どっちも悪くないよ。君が今いるムードによって変わるんだ。

今日はAM & Shawn Leeをリピートで何回も何回も聴いている。真のリピーターがたどりつく天国。午後の天気が全てを包み込むように、瞬く間に大雪へと悪化するような、そんな日。厚い雪は、無慈悲にもどんどん積もっていく。積雪は始まり、まるで絶対に落ち着くことがないみたいにどんどん降る。雪は本気で癇癪をぶつけて来て、みんなはその中を滑りながら、事故で死なない様に気をつけながら、今日の天気を呪っている。どうすることもできないし、とにかく君自身も、その他全てのことも雪に支配されてしまえばいいさ。

AM & Shawn Leeの音楽は、僕らをこういう素晴らしく没頭出来る物の中へ連れて行く。僕らはそこで何かを夢中になって探して、それが一体何なのか細部まで理解しようとする。彼らのアルバム"Celestial Electric"はまるで雪嵐の中へ乗り出そうとしているみたい。何十もの雪のかけらが辿る道を一度に追いかけて、視線が何方向にも広がって行くのに気付く...でもそれも良い気分だ。それは雪の中に飛び出ていき、僕らを包み込ませる。そこで、冷たくて、でも温かくなったほっぺたがどのように感じるか、雪のかけらたちがどれほど必死で働いて、仕事をほとんど終えて、あまり寒けが身に染みないようにさせているかを感じている。AMとLeeはこのような複雑で、グルーブに満ち、全てがオーガニックで狂ったように天才的な、音楽的コラボレーションの関係を完璧なものとした。この男達は、一つの音楽に対し人々が反応するにはどのボタンを押したら良いか完璧に理解している。それは蜂の大群、弾丸、熱線、熱い足、柔らかい外観に裸足、上半身裸、高いドリンク、日焼け、風焼け、そして愉快な感覚。それがすべて一緒になって、一気飲み出来る飲み物に変わる。僕らはそれに唇をつけて、代わりにすすりながら、その全ての質をゆっくり味わうことにする。

AM & Shawn Lee Official Site
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セットリスト

Welcome to Daytrotter
Somebody Like You
Dark Into Light
City Boy
Winter Sun

2012年1月24日火曜日

Star Slinger


Welcome To Your Own Kick Butt Time, The Creeping Of The Illusions

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi





























Star Slingerは僕らを結構長い間続いている話し合いの中へ連れて行く。僕らは、自分達のアンテナがその時起こっている全ての話し合い出ているシグナルを察知することの出来る部屋へと足を踏み入れる。そのシグナルがどれだけソフトなものかハードなものか関係なく。彼が音を繋ぎ合わせ、サンプルや違うムードを忍び込ませながら演奏している間は、僕らはより知覚を刺激されることになる。UKのマンチェスターで活動するヒップ・ホップ・プロデューサー、Darren Williamsは一陣の娯楽を紡ぎ合わせる。それは、僕らがついに我を失って、老衰し、それでも気楽に子供のようになる時と同じ気持ちを感じさせるものだ。よくあることだけど、若いときは、絶好調な身体や機敏さをほとんどフル活用できない。自意識過剰にも形だけは真似して、自分の部屋にこもって、ひっそりと酷いダンスの振り付けを踊って楽しんでいることなんか分からない。それでも、絶対に誰にもそのことは知られちゃいけないし、見られてはいけない。それって、盛りの時なのにひどい時間の無駄。でも時は遅し、僕らは大人の市民として存在し、その生き方をするに違いない。それだったら早い所我を失った方が絶対に良い。我を取り戻す方法を朝が来るまでに取り戻す場所を知っている限り。そうすりゃ僕らが心底嫌っている来週の仕事にも間に合うでしょ。

ここでWilliamsが演奏したセットは焼けるようにホットで、そこが様々な幻想が忍び込むポイントとなる。君にシアトルスーパーソニックスのショーン・ケンプ(バスケ選手)のナンバーが入ったジャージをまた引っ張り出したい気分にさせる。そう、興奮しがちな高校生の時のお古。君にバスケット・コートに行きたいと思わせる。かつて高いと思っていたジャンプ力も無くなったって分かってるけどさ。(いやみったらしいコーチは一回も僕のジャンプ力に気付いてくれなかったな。そうしたらもっとゲームに参加できてたのに。)彼の演奏は、君に小熊を売る場所を探すことの合法性を検討することも嫌と思わせない。君は小熊を大人サイズになるまで世話して、そいつを深く沈みこむ枕代わりに頭をよせて、再放送の"Deadwood"のエピソードを観る。彼の演奏は君に間違った記憶を呼び起こし、君は実際よりもかつてはたくさん首になったと信じてしまう。君はクラスの同年代のホットな女の子達に話しかけ、彼女達も君のことはまあまあ良いと思っている。その時は二人の関係ってのはうまくいかないわけで...折りよくも彼女はすでによくある束縛的で、丹念な高校時代の恋愛関係を送ってるみたいだから。

Star Slingerは君がただ全てを楽にして、彼の作り出すコラージュの恩恵により、突然自分自身や、自分が成長した姿(たとえそれが何ともなくても)を最高と思わせる熱狂の場へ巻き込んで行く。君は腰をあげて動かし始める。君は幻想を愛し、何年も手に入れようと思っていた最高の時間を楽しむのだ。
Star Slinger Official Site


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セットリスト
Welcome to Daytrotter
The Daytrotter Set

2012年1月23日月曜日

The Stepkids


White Lights, White Heats

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered and mastered by Matt Oliver, Translated by Teshi
























君も絶対、なかなか興奮が冷め止まなくて、君の体の中のもの全てにタイムス・スクエアやラス・ベガス・ブールヴァードの(大騒ぎの)血がまだ流れているような夜に詳しいはずだ。枕に頭を乗せて、目を閉じると、誰か/何かが君にプレッシャーをかけているような感覚を覚える。そして君は長い間寝そべって、目を閉じたふりをした瞼の奥では完璧に目覚めている。眠りたい、眠らなきゃ、でも、それが出来れば幸せものさ。一時的な不眠症の役を演じなきゃいけないのかな。君はただ時を紛らわせて、意識はどこかに辿り着ければと考えている。朦朧とした感覚がキックインして、サンドマン(眠りの精)がもう少し先にいる。でも気付いてみれば時はすでに午前四時をまわり、もう寝入ることなんて出来ない。コネチカットのバンド、The Stepkidsは、こういう夜が僕らの頭の中にこっそり入ってきて、神経を震わせてイライラさせるときによく頭の中に聞こえてくるサウンドだ。それは僕らを支配する感情の波を弛むことなく旋回し、転がり込む青白い光、白熱のよう。休息をとるのも嫌じゃないけど、頭に聞こえてくるサウンドも、The Stepkidsのひねくれていて、フォーキーなサイケデリアの傑作セルフ・タイトル・デビューアルバムを聞くのも悪くない。この作品は長い間頭の中で燃え続ける。

ベーシストのDan Edinberg、ギタリストのJeff Gitelman(彼はかつてアリシア・キーズのツアー・ギタリストだったが、Stepkidsでの活動だけに集中するために辞めた)、そしてドラマーのTim Walshはヒプノティックな楽曲のアレンジ、数々の折り重なった展開とセクシーな挑発のパルスを吐き出す。彼らが僕に眠れない夜を思い起こさせる理由は、彼らは時々脳内忍者(Brain Ninja)について歌っているけど、どうも女性の髪の毛がベッドの上でどう広がるかとか、彼女に凄く近づいた時に、どんなに良い香りで、塩っぽいか、これを歌っているみたいだからだ。君がまだ眠られないのは、頭の中に純情に不純な考えが浮かんでいるからで、骨までそれが響いているときに誰が寝られるっていうんだ?彼らはオールド・スクールのフィラデルフィアのソウルを放出し、それはまるでPhiladelphia International Vaults(ソウルの老舗レーベル)から登場したよう。フリーラブを提唱する60年代のマリワナ中毒の、可愛らしいヒッピー娘たちと同棲しようとする考えを持ちながら。歌は頭の中にロックされ、緑と紫の輝きを放ち強いグルーブを生み出す。それが僕らを夜の中に、パーツに、全ての中に飲み込む音のシャワーを生み出しているのだ。
The Stepkids Official Site

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セットリスト

Welcome to Daytrotter
Suburban Dream
Brain Ninja
Shadows on Behalf
La La



2012年1月16日月曜日

Laura Marling (Part II)

















Part I

彼女はそういう戦場のどこにもいないし、彼女と、彼女の最新作の最も素晴らしい質を高めているのは闘いの蔓延を確認することなのかもしれない。彼女を消費させる狂気と孤独に対する我慢。彼女がワインを呑みながら作業している時、彼女がグラスにワインを注いで、まるで蝋燭の光のように部屋、テーブル、そして家具を優しく柔らかく包みこむ声が低く調子が保たれる時、その我慢が彼女をいつもよりちょっと顕著になる。柔らかくて黄色い光が歌声と共に空気を包み込んでいくのを見ることが出来るだろう。言葉自身に命を吹かせているのだ。彼女の歌っているものが欲しい。彼女が最初に書いた時に感じた、その時と全く同じ気持ちを感じたい。そう、彼女が初めてその言葉を口の中で転がして、最高で、飛び切り悲しい音を作り出したときのものを。

20代の若い女性も早熟になれるのかな。彼女はまるで長い人生を生きてこないとわからないような全ての感情を知っているみたいなんだから。彼女がそれぞれの思慮、そして深淵の悲しみとの厚い関連性に到達したプロセスは不道徳なものに違いない。僕らが知る必要の無い何かに決まっている。彼女はきっと腕と膝の肌を剥いで、その下に最初の層が現われる。血を綺麗にふき取ったら、その次に2番目の肌の層が現われる。それはしわしわで、肝臓が見えていて、皮膚の下で進行する「老化」をまじまじと証明している。僕らは耳を澄ます。角が立った祖母にそうするように。あの賢明な年寄りの鳥は、10,000回もディナーを準備して、8人も子供を養い、彼女が知らないこと、また痛々しいほどに親密に知っていることを僕らに話してくれる。Marlingは歌う

「私と時間、はるか昔に飛んでいく/私は子供で、いつだってそれが何でか知っていた」

まるで彼女は永遠に年寄りみたいに。まるでいつだって年寄りじゃなかったみたいに。

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プレイリスト

Welcome to Daytrotter
Don't Ask Me Why
Sophia
Flicker and Fail
Night After Night




Laura Marling (Part I)


That Known So Intimately It Hurts, It Howls

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Shawn Biggs, Translated by Teshi

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Laura Marlingは君に細心の注意を要求する。彼女はトムスシューズ、そして灰色のスキニージーンズを身につけた脚を、くるぶしの近くで交差させ、目の前に設置されたマイクスタンドに立つ。普通の人のようにカジュアルで、安心しているように見える。彼女は、彼女の歌を聴くために目の前に集まったお客さんをからかって、「この指に嵌めてる指輪は結婚指輪なんかじゃないんだから」とか、「カリフォルニアのSalinasなんて言ったこと無いわ」とか説明している。彼女は君に一言一言ちゃんと聞いてちょうだい、なんてせがむ必要はない。彼女の声色とかアクセントについてくるように何て言わない。君は彼女と旅に出る。どうもくだびれていて、驚くほど掻き乱しているみたいだけれど、苦いというよりは甘く、残酷にも検証された、人生についての物語を引き連れて。この物語に現われる人々は、感情に押しつぶされてしまった。多分彼女のことなのだろう。いや、もしそうだとしても、彼女ほどに美しく、そして完璧に感情に飲み込まれたものはいないだろう。

このイギリスの歌手--もともとはハンプシャーのEversley出身--は料理本を読み、きっと君は彼女が巨大な鍋の近くで料理していると創造するだろう。質素でコンパクトなキッチン。鍋から出る湯気とオーブンの温度が、この部屋をアロマが効いたサロナに変身させて、Marlingはお気に入りの木製のスプーンで出来上がった料理を味見している。彼女はスープを唇に運び、味見して一秒間静止する。「あと何が必要なのかしら」彼女はオレガノをもう少し加えて、その後に秘密の調味料を加えていく。"Don't Ask Me Why"という2011年の名作"Creature I Don't Know"に収録された曲でMarlingはこう差し出す。

「道を見失って凹んでいる私たち/どんな気持ちか分かるわ/間違っているってことも分かる、でもこれが現実」

彼女が見慣れた場所から生まれるこの歌詞。どこか鈍感で、おっぴろげで、答えに不足している場所。どこか多くの数の人々が夜に横たわる場所。彼女はなにか美しさを探している。何か痛みを少しでも癒すような美しさ。しかし彼女は自分が手探りしている感情が、そして彼女のことを手探りしている感情が何か決まったもので無いことを分かっている。
続く

Part II
Laura Marling Official Site

2012年1月11日水曜日

Milk & Eggs


The Soft Pains And The Hard Pains

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi

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Milk & Eggsのメンバー、Jordan Sellergrenがアイオワ・シティのインターステート80(州間ハイウェイ)を東にドライブしてここまで来てくれた日、彼女はCedar Rapidsから出発した。彼女はそこで大学の学科のテストを受け終わったところだった。僕達にとって、そして今お聴きの君達にとって---特に"Birdhouses"みたいな歌を聴いているとき---みんな多分同じ事を考えているはずだ。僕らは自分達が何を考えているか分かっているし、君が何を考えてるかも想像がつく。でも、そんなに厚かましくなりたくない。とにかく僕らが考えていることを言うから、もしピンくるかどうか教えてよ。

そう、僕らはね、Sellergrenがテストを受けていて、大学の教室にいて、こういう彼女がしなきゃいけないって感じていることは、彼女にとって時間の無駄だっていうこと、それを考えてた。中退しちゃえばいいのに、ってね。彼女が非常に賢いっていうのはわかってる。彼女みたいに曲を書ける人はそうに違いないよ。でも大学とか、何らかの分野の研究を経て、結局よくある仕事につくっていうのは彼女にとって不十分なんじゃないかな。あの才能があればもっと輝けるはず。彼女の考え方を使って、僕らの頭の中をもうちょっとしっかり整理してみようか。わがままなことだけど、彼女にその仕事をしてもらわないと。彼女が発する言葉とギターの音色が必要だから。彼女に物事を説明してもらったり、一晩かけて食べ終わるような盛大なディナーの後に感じるような満足感を与える方法で、その説明を額縁に保存してもらわないと。ただ、その食事は量の問題じゃなくて、一緒にいる仲間、会話、その質が全てで、素晴らしいワインが全てを呑み流してしまうんだ。彼女にはロマンティックに、時々血管や、毛穴に広がっていく柔らかな痛みと激しい痛みについて書いてもらわなければ。

彼女にはとにかくこれをしてもらいたいから、その時に彼女の考えていることや感情以外には何も研究や勉強をしてほしくない。こういうところから生まれるフォークソングは、そのもどかしさがとても美しい。"Birdhouses"という曲は、愛の営みと、愛の面倒な性質、それを悪用する人々、良いところだけ頂戴して後はポイ捨てする人、不平等に扱う人について歌っているみたいだ。そこには一人の女性が鳥小屋を建てている。きっと、多分きっと心や棲み処のための建築だ。そして男達(あるいは決まった一人の男)がいる。彼らには決してその細心の注意を払って作られた贈り物は与えられない。彼女は歌う

「この鳥小屋はね/私が作って、何の意味もなく売るの/でも普通の男には売らないのよ/絶対に、どうでも良い男には売らないの」

こんな痛切な歌詞はそんなに聴けるものじゃない。絶対に絶対に彼女には今の生活を投げ捨てて、困難で金無しのソングライターの人生を選んで欲しい。そんな苦しい生活も(彼女だったら)長続きしないだろうからさ。

Milk & Eggs Official Site
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セットリスト

Welcome to Daytrotter
Birdhouses
Don't Know How
Five In The Mornin'
Cowboy
Buddy Brown


2012年1月7日土曜日

Wild Nothing


Lips Won't Last Forever

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Patrick Stolley, Translated by Teshi






























大抵の所、僕らはみんな徹底的に不安だらけだ。不安は筋肉の筋から筋まで張り巡らされてる。それが僕らの肉をタフにするのだ。それがふくらはぎの丸い部分にこぶを作るのだ。それが午前4時の暗闇に目を覚まさせるのだ。テレビはオンで、今まで願っても見なかったような、絶え間ないぐちゃぐちゃした場当たり的な考えが頭の中に滾る。何事にも確信がもてないし、これで無茶苦茶狂わないほうがおかしいよ。すべて推測と不確なものなんだから。僕らはただ首の周りから血を噴出して走り回ってるチキン。首をぶらんと垂らしながらね。全てがただの目標の無い衝突で、それが僕らをとても興味深くて汗でべたべたな雫の中にかき集めた。そしてヴァージニア州はBlacksburgのエクスペリメンタル・ポップ・プロジェクト、Wild Nothingの重要人物、Jack Tatumがやってくる。

まあ、君が立てた仮説もまだまだ理にかなってると気付いたみたいだけど、それが全く手がつかなくなる可能性が巻きついている。しかもその殆どは、君がどれだけ蝶番からギーギー鳴るドアを開けて、部屋から廊下に出るかに関係している。そして、他の頭無しと心が傷ついた奴らと冒険に出るために、外の天気を確認するのだ。Wild Nothingのデビューアルバム"Gemini"に収録された曲の殆どは、夢見る人の移り変わる接線となって現われる。でも、そこには常に一貫した調子があって、間違いなどどこにも起こらない。登場するキャラクターは何が彼らの心を痛め、何が大丈夫なのかを知っている。何が上手くいくのか、何が爆発するのか...彼らはなるべく完璧に砕けてしまわないように、なるべくそれをひけらかさないようにする。"Live In Dreams"という曲は何かTatumのものの見方の本質を表しているかのようだ。

玄関先のタバコの吸殻のうえに座って
「君は僕のように死んだみたいに気が抜けちゃってるの?」って君に聞けるけど
好きなように僕の事を呼んだら良い、でももう一回呼んでくれ
僕があんまり喋らないのはほんとだよ
だって二人の唇は永遠に長続きはしないんだから
まさにそれが理由で
僕は夢の中で生きて、ここでは死んじゃったほうがいいんだ
だって二人の唇は永遠に長続きはしないんだから
まさにそれが理由で
僕は夢の中で生きて、ここでは死んじゃったほうがいいんだ

ここにはただ夢の中で生きるだけでなく、エーテルの中でも生きたいという気持ちがある。どこか抵抗が最も少ないところで生きたいという願いだ。もし家の中にノイズがあれば--あの夜のアンプにかかったバンっという音---いや、音の出場所なんか調べることはない。勝手にどっか行っちゃうから。多分猫がおきて、夜行性の本能にハイパーになってるだけなんだ。どうってことはないよ。掛け布団と、好きな音楽と本があれば大丈夫。Wild Nothingの音楽は、僕らが寝巻きで、道を照らすゆらゆらしたキャンドルを片手に進む、馬鹿馬鹿しく長い道のようだ。キャンドルの灯りは闇を引き裂くけれど、僕らはまだそれに向かって静かに、我慢強く進み続ける。

Wild Nothing Official Site
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セットリスト

  1. Welcome to Daytrotter
  2. Live In Dreams
  3. Our Composition
  4. Bored Games
  5. Velocity Girl



2012年1月5日木曜日

Moby


The Soul And Salt Of The Earth

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Jon Ashley, Translated by Teshi

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いろんな種類のMobyがいる。この男は、絶対に長い間同じスタイルの音楽家としてじっとしていられないし、それが太陽の下と月の下に、様々なカタログを築き上げたのだ。一ヶ月前ノースキャロライナ州のAshevilleで、僕らが第二回目のMoogfestの初日、一番最初の夕方にEcho Mountainというスタジオでセッションを録音した時、Mobyが変身しようと決めたもの...それは南部のタバコ農園で骨を折って働く家族の魂、町、そして一人の男だった。いや、手で墓を掘っているのかもしれない。それか袋一杯のじゃがいもとキャベツをこの先3日間の食事として保てるようにしているのかもしれない。彼は僕らをそんなに遠く離れていない昔のアメリカの歴史の、深い井戸のなかへ連れて行った。たいていの人々にとって今まで経験したことがあるのと同じくらい確実にタフなものを、彼は新旧のスピリットを通しておこなった。彼は自身のエレクトロニカの楽曲をスピリチュアルなものに変身させ、それでも以前の曲の形もスピリチュアルなものとして見ることが出来たし、そうしているべきだった。あの困難から生まれる強大なセンセーションと、もうすぐ勝利を得るという楽曲の大きな意味を捉えられなかったことに、バカみたいな気分になる。

"Natural Blues"はいつだってソウルの、真にスピリチュアルで、捻りが効いた曲だったじゃないか。歌詞は

「もう神様ってば、僕のトラブルは酷いもんさ/もう神様ってば、僕のトラブルはさ/神様以外に僕の困難なんて知らないのさ/神様しか僕のトラブルなんてわかんないのさ/丘を下って/ある日ね/ソウルは幸せになった/そして一日中そこにいたんだ」

これは自分が大丈夫じゃないと気付いた誰かの腹の中から、口の中から直に吐き出されている言葉だ。でもそいつはまだ晴れた日の価値をちゃんと感謝できるような人だ。それとちょっとした笑い事と、美味しいご飯と良い友達があれば暗い日々にも陽が差す。お腹が一杯になった腹の底から生まれる笑い声を聞けば、今この瞬間は大丈夫。昼下がりに、かなりランダムに選ばれたこの楽曲集は非常に優れた才能がフィーチャーされた。歌手のInyang Basseyとヴァイオリン奏者のClaudia ChopekがMobyとそのバンドメンバーは、その日の夜に4ブロック先の会場で開かれるパフォーマンスのために集った。まるで1960年代の人権運動と1970年代の戦争反対運動と、もっと早い時期のものから生まれたように、全てを聞こえさせるAda R. Habershon/A.P. Carter/Nitty Gritty Dirty BandとJohnny Cashのカバーと、オリジナルの楽曲には一貫性がある。それらはすべてどこかコミュニティの歌の様で、歌詞と音楽性の断片はまるで何十年もかけて足され続け、抑圧された愛憎、反発と叫び声の確かな感情にフィットするように、打ち伸ばされ形作られている。よく、Moby一人の決断に任されるとき、この男がハートとソウルの欲望をどのように考えるのか理解するのは面白いことだし、よく分からないものだ。彼は愛の音を不毛に聴こえさせる傾向があるし、稀に単一の言葉が彼の言葉の後ろを支えているが、それでも、このセッションではそれがフルに花開いている。活き活きして、様々な鼓動がある。MobyはまるでRobert Johnsonの神聖な十字路に辿り着き、ウェストバージニアにあるガソリンスタンドを訪れたみたいに聞こえる。そこでキャデラックの後ろでHank Williamsが死んでいることに気付かされるのだ。まるで彼の身体の中で幾つもの炎が巻き起こり、彼を燻っているように聞こえる。彼は「全部悪い方向に向かうときに良心を見つめる」し、悪いこと全ての中にちょっとした良心がある時は、悪いものを見つめている。
Moby Official Site
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セットリスト


  1. Welcome to Daytrotter
  2. Will The Circle Be Unbroken
  3. Natural Blues
  4. Porcelain
  5. Ring Of Fire
  6. Slipping Away
  7. Now I Let It Go

2012年1月3日火曜日

Marketa Irglova


Held Tight, Just Less Tightly And So Differently It Hurts Worse

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Shawn Biggs, Translated by Teshi

































最悪なこと、それはゆっくりと衰えていく愛。じきに道路をならすスチームローラーのように圧力的になってしまう親密な関係。それはまるで君が高い建物、そうなかなか栄えている高層ビルを見つめているみたいに、遠い距離から疑いはじめる。それはどこかに傾いているわけではないし、バラバラになってもいない。それは高く聳え立っている。けれどすぐに倒壊するだろう。それは取り壊しがマークされていて、その日も決まっている。ビルの真下のエリアは安全のために立ち退き、カウントダウンが始まる。君はビルの支柱の足元に爆薬が仕掛けられるのを見て、爆発のかすかな連発が聞こえてくる。灰が飛び交い、コンクリートが宙を舞う。まずはビルの最上部がゆっくりと崩れていく。まるで途中でポーズするように。数秒後には、かつて誇りに思われた建物が直に倒壊する。一度に12階も、ただただ崩壊を飲み込んでいく。こういう取り壊しを見ていると、それらがなんて秩序立っていて、整頓されているか驚きだよ。

TNTがちょうど良い数仕掛けられたこういう建物は、正確に、予想通りに崩れていくんだ。どうやって始まるか分かっているし、次に何が起こるか、途中で何が起こるかも、どういう風に全て片付くのかも分かっている。屑と砂粒、そしてたっぷりのノスタルジアが溢れている。ただのビルなのに。人々にも同じことが起こる...まあゴミ収集車の中に山の様に積まれて、砕かれ、新たな石として復活し、また次のプロジェクトに使われる、なんてことはないけど。ビルは壊すことができるし、それでもう見つめる建物がなくなったわけだから、空っぽの風景やもっと違った風景に目を凝らすことができる。でもそれが人の場合だったら、「あいつらがまた帰ってきたり、思っても見なかった時に、またどこかでばったり会うかもしれない」なんていう文句ったらしい考えが常に思い浮かんでしまう。あいつらはどこにもいかないし、君も同じようにどこにもいかない。ただもう同じキッチンと家具をシェアしていないだけ。君の口はまだ去っていったあいつらの口を覚えているし、そういうことは中々忘れられないもんだ。彼らは和解できない、けれど人々はよくビルと同じように崩れていく。終わりの始まりは何か静かなもので、でもそこには、ゆっくりとした倒壊があり、感情の捌け口があり、頭はくらくらする。

The Swell Seasonのバンドメンバー、そして映画「Once」のスターであるMarketa Irglovaはそれほど納得することはない。そして、倒壊のあとがもっとも懲罰的だということも。それが人々をかなり深く痛みつける部分なのだ。彼女のデビューソロアルバム"Anar"を構成するピアノ・バラードは、煙と塵が空気中に完璧になじみ、感情が不気味なほど落ち着いたときに(特に倒壊が起こった後は)、ハートがどこにあるか感動的に指し示している。身体がゴツンと地上にぶつかった痛みをまだ感じているし、鳴り響く空しさが耳を聞こえなくしている。アルバムに収録の、一番残酷で、しかし変革の可能性を感じさせる"For Old Time's Sake"という曲でIrglovaはこう歌う、

「強く抱いて、でも今夜だけ/でも前みたいにギュッとしないで/もうそんなに親しい関係じゃないんだから/少なくともそんな関係じゃない/私達は日に日に離れていった/どうなるか知るためにただ待っていた/またカジュアルに愛し合えたら/私はいつもあなたの良い友達だった/いつもあなたのそばにいてあげたの」

切り刻み、噛み付き、それは一人の女性が闇の中で手探りに、彼女が必要な答えを探しているのだ。結論も終結も、多分絶対に来ないだろうから。それはただ前とは全く違った方法で時が過ぎて行くということ。そうこれからは。

Marketa Irglova Official Website
The Swell Season Debut Daytrotter Session

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セットリスト

  1. Welcome to Daytrotter
  2. For Old Time's Sake
  3. Go Back
  4. Only In Your Head
  5. Time



2012年1月2日月曜日

Nat Baldwin


Nights When The House Talks To Us

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi































今宵は家がかなり静かだ。赤ワインはグラスにちょうど良いくらい入っている。満タン過ぎず、少なすぎもしない。今朝、枯葉が芝生の濡れた毛布の上で群がっていて、片付けねばならなかったので、僕らはいくらかゴミ袋を取り出して葉っぱを一箇所に集めた。それを氷の様に冷たくて水が滴る塊にしてから、最後の休息場所へ送るのだ。まあ、少なくても厄介ごとが一つ減ったってことだ。大事なのはそこだけ。サンクスギビングの前の今日、夜がどんどん深くなるにつれて、気温は急速に下がり、それは必要以上に寒さを強調するような夜だった。充分な量の(寒さの)要因のコンビネーションと共に、口から去っていく温かい空気は、不安定な寒さを捕まえて、広大な厚さの白い雲に変わっていった。単に白い息が弱々しく、軽々と広がっていくのではない。それはまるで僕らが300ページもの言葉や文章が詰まった長編小説を吐き出しているみたいなのだ。それは濃厚で、まるで羽を構えて地上から飛び立とうと努力している巨大なカラスが、僕らの口の中から出て行くみたいだ。こんな夜に君は「家がいつ僕に話しかけてくるんだろう」と思う。君の前にここに住んでいた人はどんな人達だったのか語り始めるんだろうか。いや、多分「前の人たちは一回も料理したことがないし、君みたいに寝たこともないんだよ(だって、あの人たちはベッドを違う方向に向けていたけど、君達は同じ方向に向き合わせているだろ)。芝生は君達よりも綺麗に整えてたし、彼らだったら朝食用ヌックの絵の具の剥げたところもすぐに直しちゃうだろう。君は家の声が一回も実は聞こえてこないのに驚き、ついに家がどれほど君に失望しているか教えられる。いや、多分こいつはなんでも受け入れるのが好きなだけなのかもしれない。木はもう年をとりすぎて何も気にしなくなった。なるようになるのさ、ってね。

こんな夜に僕はもしNat Baldwinがかなり似ているような物事を考えたり、感じたりしているのかなって不思議になる。外で誰かの咳が聞こえるのかもしれないし、ベースメントで変な物音がするのかもしれない。それか狸が窓の傍にある松の木で追いかけっこをして、屋根に飛び降り、松の木の反対側に乗り移っているのかもしれない。シンプルに、僕らに乗り移させる音なのかもしれない。僕らに「君はうまくやってるよ」と言い聞かせたり、「いや全然ダメだね」と言い聞かせる音。大抵はこんな考えを理由付けて、どこか真ん中にたどり着くことが出来る。その場所で僕らはNat Baldwinが最新アルバム"People Changes"でも言及するような「激しく酔いもさめるようなトーン」を聴くことになるのだ。彼は自分と失う感覚と自分を発見する感覚を同時に君に感じさせてくれるようなアーティストだ。その過程の最後でどんな風に感じるのか知っている人間なのだ。彼のダブルベースは深く掘り下がり、僕らは努力すれば成功の可能性があると感じさせる、運命的な感情を放出する。まるで僕らを追い詰める物事に有利な一手を与えることが出来るみたいに。

彼は自分のために作り出したスペースを楽しむような人間だ。ランニング・シューズを放り投げて、全てから逃げ出そうとして、何事からも逃げ出せなくなっている。嫌でも思い浮かぶ考えに僕らはいつも悩まされて、それを止めるミュートボタンはどこにも無い。それが誰かを執筆に走らせる。今人生はどうなのか説明しながら、決まりきった「最近どうなの?」という質問に

「兄弟と遊んで、NBAの試合に夢中になって、喫煙を止めたり始めたり、二回も同じ間違いをおかして、ビールを飲んで、ベーコンを食べt、Lewis Nordanの"The Sharp-Shooter Blues"を呼んで、"Weights"のPVのアイディアを考えて、大学の舞踏会を楽しみにしていて、Cecil Taylorを聴いて、暖炉の傍に座って、オートミールを食べすぎて、毎週土曜日のJumpin' Jayで開催される牡蠣1ドルデイを懐かしく思って、毎日そのことを考えていて、おばあちゃんの80歳の誕生日を計画しているし、デクスターっていう名前の年老いた犬と遊んで、カウンターの後ろの女の事を妄想していて、きっと彼女達の事をもっと良く知ったら妄想とずれてがっかりするだろうなって恐いけど、ツアーも計画しているし、音楽が最近また楽しいし、バイクに乗りながら、走れてればいいのにって考えてて、Runner's Worldっていう雑誌を読んで、昼寝をもっととりたいし、そのあとチリももっと食べたいし、Kurt Vileを聴いたりしてる。君もうまくやってるといいけど。」

把握できる以上にとりとめがなく、徹底的。僕らってかなりおかしいのかなってまだ思っちゃうけど、それがポイントじゃない??

Nat Baldwin Official Site
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PitchforkのPeople Changesディスク・レビュー(対訳)


セットリスト

1Welcome to Daytrotter
2Lifted
3The Same Thing
4Let My Spirit Rise
5In The Hollows

2011年12月18日日曜日

The Jon Spencer Blues Explosion


Skuzzy, Dirty, Perfect Irrelevant Relevance

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Matt Oliver, Mastered by Sam Patlove, Translated by Teshi




























Black Keysを嫌いになる理由なんてある?僕らは色んな良い理由で、彼らにクレイジーになっているんだ。彼ダーティーだし、オハイオ出身にしては結構セクシーだし、超やんちゃでクール。でも彼らのことはそこで置いといて、彼らの前に現れた、昔からのいやらしくてダーティーでエロいバンドのことを紹介しようじゃないか。Black Keysよりも、Jon SpencerとBlues Explosionを愛さない理由なんて見つからない。このミュージシャンたちは偽りの無い「金欠バンド」の音を匂わせ、ウィスキーとビールを活力にして、一般的な社会からは希望も無く疎外されている。そんなの何も気にならないよ。だから何だって言うの。

Spencerは何十年間も曲と毎日を燃やし、溶かし続け、決して完結しない歌を書いてきた。それらは歌のスケッチで、何度も変わることがある。演奏するたびに新たな火種と爆発を生み出すことが予測されているからだ。君を部屋の後ろで壁に磔にし、君に傷跡をつけ、髪の毛を全て燃やしてしまうだろう。でも君はそれを期待している。近くにある生ビールが入ったプラスチックのコップを手にして、(燃える)自分の頭に全てぶちまけるのだ。君は天上を見上げて、換気扇を探しだす。君は換気扇に近づくための椅子を見つけ出して、羽根に向かってジャンプ。回って頭がくらくらして、グリズリーベアか誰か、夜の九時以前は何が起こってるか知らない様な人の背中に飛び乗るまで羽根に捕まり続ける。でもそんな人いらないだろう?

Jon Spencerはヒーローの存在を信じなかったり、従来型のヒーローをほとんど必要としない人々全員のヒーローなのだ。そう、君の才能が開花して、よい父親になり幸せになる所を見たい人々の。彼は君にもっとコミックブックに触れて欲しい、何日間もシャワーを浴びることを忘れていて欲しいと思っている。頭に思い浮かんだ最初のことを口に出すんだ。それが意味を成そうと成さなかろうと。でも出来たら、彼らはクソクレイジーな連中だって願っていようじゃないか。ワニがビーフジャーキーを食べている所を話題にしたり、僕らが狼狽して、ばかばかしくなれる方法を探し出したりして、お説教をかましてやろうじゃないか。

Spencerはマニアックだ。彼はまるで、今にもボトルやビリヤードのキューを取り出し、頭の上にぶつけて、それが映画みたいに綺麗に勝ち割れるみたいに聴こえる。そしてそれは良い感じの夜なのだ。いや、最高の夜だね。そんなことが起こってから、彼らは夜のフットノートになる。何故かと言うと、その大混雑に巻き込まれた人々はナイトキャップを忘れないからだ。一つ先のブロックにある違うバーで、腕を友達の肩に回しながらクィっと一杯。違いなんて関係ない。Blues Explosionの楽曲は君に心をセカセカさせて、強制的で、ほとんど活発にむらがない。彼らの音はもっと若い人たちの肺から絞り出される様な音に聴こえる。まだ疲れきっていなかったり、年をとって精神や身体が衰え、生き方が変わることを断固拒否する様な男たちの様に。まだまだ酒場でたむろするためだけの時間が必要。自分の尻尾を追いかけて、酒をがぶ飲みして、友達と涙を浮かべたりする時間がね。ダーティーなファンが絶対に終わらないことを願っている。

The Jon Spencer Blues Explosion Official Site

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セットリスト

Welcome to Daytrotter
Get Your Pants On
Shirt Jac
My War
No Reservations
Texas Blues

2011年12月15日木曜日

Matt Bauer


Sparseness In The Gloaming

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi

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このエッセイを書き始める3日前にMatt Bauerが自身のウェブサイトに写真を載せていて、それは彼の作る音楽を一言たりとも説明できるようなものではなかった。それは写真の中の写真だった。掲げられている写真は何十年も前の白黒のポートレイト写真だった。そこには過ぎ去った日々の感傷と感動がフルに詰め込まれていた。写真の中の息を呑むほど美しい若い女性は彼の母親で、家宝として受け継がれていくような大切な写真だ。そういうものは最も純粋な時間の一部を凍結している。一度撮られてから何年後も後に見返して、「そこにいる人はその時は何も考えてなかったんだから」なんていうコメントがされるのだ。それが暗示するのは、その人物が撮影日にレンズの奥を見つめていた時ほど、物事は当初考えていたよりも上手くいかなかったってことだ。ひとつなぎに並んだ馬の集団よりも力強く、何千もの抱擁よりも温かい微笑みを見せていた時ほど。

彼の母親は太陽に目を向けていて、そのせいで彼女の目は少し閉じてしまっている。でも見てわかるように、彼女の顔は幸せそうだ。まさにその瞬間、彼女は幸せで幸せで仕方なかった。人生は最高で、その幸せを揺るすような理由も疑いもどこにも見つからなかった。Bauerはその写真を手に持っていて、角っこに彼の親指が覗かせている。おなじページに、机の上に乗っている死んだ青いカケスと彼の裸足のつま先が載った写真を見ることができる。彼が自身のサイトに選んで載せた写真は、言葉が出来る以上に思い出の欠片を説明しているように思える。その思い出たちが実際にスクリーンの中から息をして、つやの消えたボロボロの紙を吹き飛ばしているのだ。彼の母親は伝えたいことがたくさんある。言葉など必要ない。僕らは彼女があの写真撮影の日から幸せな人生を過ごしたのか、気になっている。彼女の望んだように行ったのだろうか?彼女が才能に溢れた息子を授かったのは僕らも知っているし、多くの人にとってそれ以上に気にかけるものはないのだ。

多分それが彼女をその先も美しく、幸せにしたのだろう。Bauerは作家としてそういう「消滅することを許さない」瞬間に焦点を置いている。そういう瞬間は続いてゆき、君を自分が認めたくなくなるほど長い間心配させることになる。君はそんな物語をもっと聴きたい。もっと他の話も...彼らのまばらな、黄昏の中でのダンスも魅力的だからだ。彼はそんな人々や、場所、夜の中に消えて行く物事について歌う。彼の興味あることはほとんど夜の帳の中で巻き起こっているように感じる。闇の中で僕らは一人じゃないと感じているけれど、核心はもてない。僕らはそこに何がいるか知りたい。もっと。何が見えない闇の中を切り裂いて、僕らの肌を擦っているのか知りたい。どうもそれは僕らの一部みたいだ。だから僕らは懇願する。彼も同じように懇願する。

Matt Bauer Official Site

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セットリスト


  1. Welcome to Daytrotter
  2. Morning Stars
  3. Tics 1979
  4. Poplar Trees
  5. Blacklight Horses
  6. Waiting For Your Shadow

TICS 1979 by Matt Bauer from matt bauer on Vimeo.

2011年12月12日月曜日

Ocote Soul Sounds


Feeling The Effects Of The Impulses

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered and mastered by Matt Oliver, Translated by Teshi


























ボンドガールを手に入れる方法って言ったら--中でも良い感じのヤツで、超セクシーな日焼け跡が完璧な場所に残っていて、スキー帽被っても、何を装着しても、何してもナチュラルなタイプ--Ocote Soul Soundsを再生することだ。Antibalasの創立者で、OcoteのリーダーMartin Pernaの誘惑レベルを最高潮にしてやれば、君も同じように誰かを誘惑するレベルが絶頂に達するはずだ。"Aqua Sentz", "Pathways"、そして"Pirata"という曲をかければ、君はまるで自分がトロピカルアイランドにテレポーテーションしたような気分になる。目の前の最も豪華な食べ物と飲み物は全部君のもの。食べてもいいよ。だから君はガツガツ食べる。目の前に突然現れたベッドシーツには縫い目がしっかりついていて、文句なしの代物。だから君はそれにくるまることにする。君の周りの女性達はみんなエキゾチックで挑発的な目とスラッとした脚をしている。みんなまるで君のことをターゲットにしているみたいに、君をじっと見つめている。多分君のベッドシーツが自慢してる綺麗な縫い目のことを耳にしたのかもしれないな。君と一緒に寝転がるのも嫌じゃないみたいだし。それで君の手腕を自分で確かめたいんだろうね。

Ocote Soul Soundsをほんのちょっとだけ聴けば、「遅くなる前に外に"DO NOT DISTURB(入室禁止)”のサインをかけとかなきゃ」と考えるはずだ。サックスソロのメロディーは絶頂の時に聞こえてくる様なソロだし。そのサウンドはゼーゼー言いながら悶えている。ちょっと君みたいにね。そう、彼らの曲は肉欲が胸打つ歌なのだ。衝動の効果を感じながら、自分の体が欲望に任せて動けるようにに解放させてあげる。それがなんであろうと、好きなだけずっと。そう、彼らの曲は体に挑発的なダンスを踊らせる部位からの情熱的なコールなのだ。身体に身体が出来る事をさせてあげる。でもばっちりのそのタイミングが来るまではじっと待つ。彼らの曲は抑制が解放され、もはや自制心が無くなったときの、欲望のあるままの姿なのだ。君はとにかくラムで出来たパンチを飲んで今が何時かも忘れる事にする--いまどこにいるんだろ--ここは君が望んだ時にだけ太陽が沈む場所だよ。

Octe Soul Sounds Official Site

試聴・ダウンロード(月々$2のメンバー登録が必要です)

セットリスト



  1. Welcome to Daytrotter
  2. Pirata
  3. Pathways
  4. Agua Santa
  5. Primavera



Liturgy


Here For The End Blast

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Patrick Stolley, Translated by Teshi

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太陽はおそらく地球から93,000,000マイルほど離れていて、僕らも太陽とはそれくらい遠い距離でいたいと思っている。太陽は常に軌道やなんやらに乗って回っているけれど、重要なのは充分な距離を保つってことなんだ。93,000,000マイルは完璧な距離に思えてきた。92,000,000マイルの遠さでも、まあ結構な距離だけど、丸々1,000,000分は近づいているってことだから、僕らの安心レベルにはかなりの衝撃を与えるわけだ。いや、それは僕が勝手にそう考えているだけかもしれない。それが起こるって可能性にビクビクしちゃってさ。どっちにしろ言いたいのは、人類のために太陽を今ある場所に留めておこうぜ、って事。Liturgyの最新作"Aesthethica"を聴き始めると、何かが心の安心レベルを脅かしている気分になる。今までに一度もそんな風に脅かされた事が無かったみたいに。何分か前に太陽は、自らの存在場所に腰を据えていて、僕らの体は充分暑くなった。それか、成長に最適な気温を保っていたのだ。氷を溶かすような暑さでもなく、凍死するほどの寒さでもない。突然、最初のGreg Foxのドラムがカタカタと突き進み、熱気を出すブラックメタルギターのサウンドの波で洗い流された時、僕らは太陽が僕らに突進してくる所を目撃し、体は固まってしまった。どんどん太陽はその巨大な姿を現し始め、熱は増すばかり。僕らはみんなやられてしまう。それは太陽がゴムの先から、僕らの前から去って行ってしまうのを目撃するのと同じくらい恐ろしい景色だろう。ついに太陽の弾力せいも終わりを迎えたのだ。次に帰ってくるときは、加速した力を持っていて、僕らはただただアヒルの様に座っているしかなかない。

Liturgyは僕らに切迫した感覚を憶えさせる。たとえ全ての生き物を抹消するものが差し迫ってきていても、このブルックリンのバンドは僕らの心の中のパンデモニウムのようなものを呼び起こしたりせずに、僕らは「長い長い終末が短いスパンでやってくる」事を前から知っていたような気分を期待することになる。このバンドと彼らの音楽は懲罰なのだ。でもそんなにひどくは無い。Hunter Hunt-Hendrixはバンドの『ボーカリスト』と呼ばれているけれど、それ以外に演奏中彼がやっている事を説明できないからなのだ。彼のサウンドはいきなりつねられた時に飛び出る音。(驚きで)3、4秒間は口から出てこないような、そういう音だ。それは犬が尻尾の先っちょを踏まれた時の音だ。驚きのキャンっていう声。それは純粋なボルテージ。少しずつ流れ出るわけではなく、重圧や消防ホースから勢い良く飛び出るものなのだ。

ギタリストのBernard GannとベーシストのTyler Dusenburyによって完成されるこのバンドは君に、一番近いお隣の州にロードとリップに出ようと思わせる。そこで自分の街では違法なカラフルな爆発物をたくさん購入し、どでかいグランドフィナーレにむけて打ち上げるのだ。君はそれを全て高速に進む太陽に向けて直に発射したくなる。多分導火線を地面に置いておくだけで、僕らに降りかかる迫り来る太陽の熱気で自ら爆発するだろう。ロケットがでたらめに飛び回って、人々の指や耳、顔まで吹き飛ばすんだろう。僕らはそこにいてその景色を見ていたいのだ。うん、多分もうその準備は出来てるから。

Thrill Jockey Records

試聴・ダウンロード(月々$2のメンバー登録が必要です)

セットリスト


  1. Welcome to Daytrotter
  2. Glory Bronze
  3. Sun of Light
  4. Generation
  5. High Gold




2011年12月9日金曜日

Big Troubles


All Our Own, At Our Discretion

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi































Big Troublesのアルバム"Romantic Comedy"で語られる恋愛関係は、僕らが過去に置いて来たような物語集だ。僕らはその物語を自分達が今現在経験している恋愛と照らし合わせて考えることなんかできない。結構年もとったし、「簡単に捨てられる」って思われるような存在にもなってしまったし。もう違った領域の物語にも思えてきた。僕らがもうとっくに忘れてしまっていて、すぐにでも消し去りたいって思ってたことだから。いや、そういう過去の恋愛がまだ僕らを腹立たせて、失望、そして悲しみを感じさせるってわけじゃないんだ。それでも僕らの最も拙い、あっという間に効果が切れるクスリとなるのだ。僕らはそういう感情が作用していく所を、特に目立たないダイナーやレストランで見かける。誰も知らないような街で、あるいは誰もが訪れるような街で。隣には世間的には美しいって言われてるけど、すぐに忘れられそうな顔のアイツがいる。

僕らの恋愛は終わって、彼女は立ち上がって出て行った。マイルドに傷つきながら。でも彼女はそんなに感傷には浸らない。その間に僕は彼女が残したフライドポテトを、ケチャップをすこし皿に載せてからつまむことにした。とりあえず残り物は出さない様にする。僕の心はほとんど乱れなかった。ほんのちょっぴりだけだ。他の奴らは(多分このニュージャージー出身のバンドメンバーは)素っ気となくお会計を済まして、「とっとと家へ帰るぞ」と口笛を吹くだろう。そしてマリファナをやりながら、何百回も見た映画をまた繰り返し再生するのだ。きっとちょっと不機嫌で、考え込むだろうけど、朝には全てクリアになって、「まあ仕方なかったんだ」と理解するのだろう。「長い人生のたったの一ページなんだし、大丈夫だろう」って。きっとこれから新しいことがどんどん起こって、また落書きするための白いページが現われるはずだ。また新たな愛を埋め込むためのページが。人が人に接する時の時に不合理な態度に対する評価なのかもしれない。情け無い嫉妬心と変に固執的になる傾向。それがどんな希望的な恋愛の中にも沈み込むのだから。

Big Troublesの二人のシンガー、Alex CraigとIan Drennanはこういうとても霞がかかったような愛の歌を頭に思い浮かべる。それと対処するには生まれたままの傍観者にならなきゃだめだな、って思わせるような愛。たとえ彼らがこのセッションでGo-Betweenersのカバー"Cachelor Kisses"を披露していても、「きっと男は独りで生きて行くしかないんだよ。キスとセックスを掴み取り、目の前に降りてきたその場しのぎの交際をしたりさ。」と言っているようだ。月の灯りがしっかり照らしていればいいのだ。もしその方法で良いんだったら、多分そうしたほうが安全で、心の痛みもあまりないかも。CraigとDrennanはそういう(多分女の子たちの事だと思う)手に鉤をつけた奴らのことを歌い、事態は速いスピードでとんでもなくグッチャグチャになっていく。

「ペテン師とつるんだら、傷つくさ」

と彼らは注意するけど、そんなこと言われたら試してみたくなるじゃないか。ロマンスにつきものの喜劇っぽいビートを感じたくなるじゃないか。センチメンタルなことよりもさ。「アーケイドの灯りがぶら下がって」いて、そこに勝者はほとんどいない。引き分け試合だけだ。そして僕らは自分達が男なのか、おはじきなのか不思議に思い始める。とりあえず次の障害物に突き当たるまで坂を転がり続けて、底に辿り着くまでレースするのだ。
Big Troubles Official Site

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セットリスト


  1. Welcome to Daytrotter
  2. Bachelor Kisses
  3. Somebody's Baby
  4. Misery
  5. Motorcycle





2011年12月8日木曜日

Mayer Hawthorne


Could Be A Doctor In The House

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Jon Ashley, Translated by Teshi

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ねえ、顔色が悪いけど大丈夫?まるでゴミ溜めに落とされたみたいに浮かない顔してるじゃないか。何か僕らにできることはない?遠慮なく何でも言ってくれよ。できれば助けになりたいんだ。え?どうすることもできないって?そんなはずないだろ?言わせてもらうけどさ、それが間違いだって証明できるんだ。僕らは今この手の中に、誰も見たこと無い量の膨大な太陽の光よりも強大でパワフルなモノを手に入れたんだから。こいつは君にばっちり効果があるよ。保障する。そんな騙されたような顔しないでよ。いいからやってごらん。ほら、もうさっきよりも顔色良くなった。気分はどうなの?ああ、そりゃ良かった!彼の名前はMayer Hawthorneって言うんだ。とにかく彼を離さないでいてくれよ。いや、違うよ、彼は医者じゃないよ。でも医者じゃないって考えるほうが難しいよね。彼は効果てきめんで、しかも信用できる奴なんだ。君が手放したりしなければ、彼はずっと君に素敵な気分を味あわせてくれるよ。彼の素晴らしさっていったら、底なしなんだ。君は彼に依存しちゃうけど、望んだ結果を手に入れられるのだから、それも気にしないようになる。何時も彼の最新作"How Do You Do?"を聴かなきゃいけなくなる。まさかまた落ち込んでしまった時に備えて、ね。

ミシガン州のデトロイトで生まれ育ったモータウンを愛してやまないソウルシンガー(最近Detroit Lion(アメフトチーム)主催、サンクスギビング記念試合のハーフタイムショーをニッケルバックに代わって執り行って、それがRolline Stonesのウェブサイトで放映された※)はBerry GordyとSmokey Robinsonが町を仕切っていた時に築かれた、モーターシティの音楽的伝統を完璧に受け継いでいた。彼は自身がレトロ寄りなことを隠そうとせず、そのため全ての楽曲がクラシックのように聞こえる。どこかで昔のヒット曲を抜き出してきて、埃を払って、また新しくパフォーマンスするのだ。スイートなタイミングで鳴り響くホーンと厚く張られたハーモニーは、これ以上望むことは出来ないほど完璧な仕上がりだ。彼はクソキャッチーなフックを書き、恋愛の出会いと別れを僕らに提供する。今までもこれからも、曲の中で様々なタイプの女性を描き、彼女達に恋焦がれている。でも毎回違う方法で挑戦し、違った結果が伴っているのだけれど。

"The Walk"は、豊かな髪と柔らかい唇をした女性について歌っている。でも彼女はHawthorneを騙しているんだ。リッチな髪の毛と柔らかい唇の女達っていつもこんな感じじゃない?彼女は出会った時には思っても見なかった姿を見せはじめた。彼は歌う

「君と会った瞬間に素敵だなって思ったんだ/ほんとに綺麗/でも君のクソムカつく態度が僕の考えを変えてしまったよ/そうさ、ビッチめ/ほらベイビー、その長い足をコツコツさせてさ、僕の人生からいなくなってしまえよ」

この火の中に冷たい水を注ぐような新たな事実が発覚した後でさえ、この曲はまるでなにか祝杯をあげているように聞こえるのだ。これは君に「もやもやが覚めて、また楽しんでいこうじゃないか」と思わせる曲だ。楽しみ、って長く忘れていたことだろう? "How Do You Do"は最初から最後までこのテンションが続き、顔にはえくぼが浮かび、口の中はキャンディの甘さで一杯になる。

※このDetroit LionsのハーフタイムショーはもともとNickelbackが予定されていたけれど、カナダ人に任せていいもんか、と大クレームが発生し、彼に取って代わったそうです。

Mayer Hawthorne Official Website

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セットリスト



  1. A Long Time
  2. Dreaming
  3. No Strings
  4. The Walk



2011年12月6日火曜日

Joan As Police Woman


Encouraging The Shadows And Clouds Of Smoke

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi





























それはまるでJoan As Police WomanのJoan Wasserが彼女の身に降りかかった事態や、彼女が引き起こした事態と反目しあっているようだ。彼女の最新作"The Deep Field"を聴くと、彼女が一つの方向にかなり傾いているようで、今までと違って争いに身を転じてはいないようだ。だからといって何か彼女にとって楽になったわけではないけど。彼女はまだ宇宙レベルでストレスを感じていて、まだ誰も彼女に効く治療薬を見つけてはいない。君はただ口をつむって、探し集めた迷信と欠点を見つめ直すことしかできない。そして、「それはヴードューや、細かく入り組んだクロスハッチパターンの中に運命付けられたもの」だという結論に辿り着く。しかし全ては物事が転がった方向に大きな原因がある。Wasserは目の前に現れた事態、あるいは同時に予期せず起こった事態に多きを重んじる。しかしそんなことを言ったら、彼女は「それ以上のものよ」と口論を始めることだろう。

そこに偶然の出来事などないが、慎重に組み立てられた魔術のような物質が登場する。彼女は人間と夜から生まれる魔術を信じているのだ。彼女は言葉にせずとも、人から人に飛び回る火花や静電気の事を考えている。彼女はそれを見上げて、空を引き裂く眩い光の音に耳を澄ませる。彼女はそのような偶然起こる状況の中にあらゆる意味を見出し、ほとんどの場合、その「意味」っていうのは雲が掛かっていて他の解釈にとられることがある。それでも、そういうアンビバレンスな物は同じように興味深いものなのだ。それは呪われたり人のひんしゅくを買うようなものではないけれど、そのままの露な姿で現れる--何にも携わってないようで、全てに関係しているように見える。一秒ごとに次に乗り移り、すぐに消えてしまうようなアイディアのように煙の中ににさっと去っていく。

彼女は自身の影がもつ蒸気と有害物質に惹かれている。彼女はまるでそれらが彼女の体の奥底に潜んでいて、彼女に語りかけてくるかのように感じている。時にひそひそ声で、時にあたかも死人を起こそうとしているような口調で。彼女はそこに中々簡単に見ることが出来ない荒々しい騒動が巻き起こっていると暗示してみせた。僕らはその騒動に気付いているべきだし、きっとその騒動が僕らにも影響するって事を予期しておかなければならない。可能な限りあらゆる道を辿ってやってくる。いつでもどこでも彼らが好きな時にやってくる。もし彼らがそんな脱出路を通ってくるようであれば、血管も爆発したくなるもんだ。彼女は自身の中に自分だけのリヴァイアサンをがいると信じている。そして、彼女はきっと自身の魂をそのような伝説の存在、あるいはとても聖書的な海の怪物に受け渡してしまったんじゃないか、と僕らは考え始める。問題かどうかは置いておいて、それって地獄みたいなものだよね。それか守り神の一つなのかな。世間には物を触っただけで金に変える人々もいるくらいだから。彼女もそれを考えてる。彼女はそういう魔法をあらゆる場所で探して、何事にも触れようとするのだ。だから彼女は躾がなってないのかもしれない。でも今ここで彼女は魔法を作り出している。まるでその魔法は彼女が親密を保ち続け、また永遠に造詣が深い場所に直接繋がっているようだ。彼女は自身の影がどんどん大きくなるように仕向け、それがどうなるか想像し続ける。他の奴らも彼女みたいに影を扱ったらいいのに。
Joan as Police Woman Official Website

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セットリスト



  1. Welcome to Daytrotter
  2. Flash
  3. The Magic
  4. Chemmie
  5. Nervous



2011年12月4日日曜日

Tallahassee


All The Smoke That Lingers Is Tarnished Gold

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi
































ある朝、みんなでフレンチトーストを作ったんだけど、上手くいった。フレンチトーストで大失敗することなんてあんまりないけど、不注意になってしまうこともあるし。火を強くしすぎて、ホットプレートにある一切れの事を忘れてしまったりする。そうするとひどい勢いで焦げてしまう。それは良く起こることで、僕らは自分達の愚かさを呪うことになる。今朝は、そんな懸念もなく上手くいった。焼き加減もほぼ完璧。両サイド金色に輝いていて、そんなにフニャフニャじゃなくて、硬すぎでもない。ちょうど良いバター加減と、最後にシナモンでフィニッシュ。それでもキッチンも家の中も何かが焦げたような臭いがしてる。朝から晩まで、ドアを開けるたびにその臭いがしていた。まるで誰かが料理を大失敗したみたいに。

僕らが我慢しなくてはならなかったあのひどい臭いは他の煙の臭いを僕に思い起こさせた。特にボストンはマサチューセッツのバンドTallahasseが持ってくるような臭い。彼らがそれに気付いているか知らないけれど、元New England Patriotsの前衛※Brian Barthelmesがフロントを仕切るこの四人組は、僕らにある特定の物事が焦げる時の臭いを考えさせる。そのほとんどは予期せず起こるものだ。彼らはその臭いを引き起こそうとは殆ど思っていなかった。それでもBarthelmesが「事態はヒマラヤスギと煙のような臭いがする」と、素晴らしくミニマルな悲しみと喪失の歌("Jealous Hands")を歌うとき、僕らはあらゆる感覚が詰め込まれた、青とグレイの熨し上がるリボンのような排気の中に嫌でも入り込んでしまう。その煙は薪や蝋燭の煙だけではなく、それ以上のものから生まれている。僕らは煙がゆっくりと歓喜の中からうねり出てくるのを想像する。そう、それがほどけて行く時、みんながそれに巻き込まれる時に、僕らは終末の瞬間を感じ始めて、噴きあがる煙を止めるものはほとんど何も無いのだと気付く。



それはきっとBarthelmesが歌っていた燃えるスギの臭いなんだろう。誰も嫌うことが出来ない香り。その香りの中に喜びを感じてしまうからなんだろう。 それはオーバーヒートしたエンジンから出る、面倒くさそうな炎なんかではない。それは僕らが切望する香りなのだ。体の中に吸い込んで、何日も鼻の奥に残る香りを楽しむ。まるで心地の良い染みのように。煙は大体炎が消えてから生まれるものだ。炎が尽きた時に生まれるもので、煙は目の前から消えるまで、限定された時間でしか動き回ることが出来ない。たとえ目に見えなくなっても、僕らに何が起こったか思い起こさせるためにちょっとの間そこに留まるんだけど。

(ギタリストのScott Thompson、ベーシストShawn CarneyとドラマーのMatt Raskpfによって完成する)Tallahasseの殆どの楽曲が伝えようとしているのは、時間の限定性だ。彼らはそれについて特に具体的で、僕らに「誰にとっても時間は友達じゃないんだ」と思い出させてくれる。もしそう思ってるんだったら、僕らってかなり間抜けだよね。これ以上に望むことが出来ない最高の友達がいて、そういう期間限定の友達なんか欲しくなかったら、時間の存在も友達だよ。でも時は僕らを裏切り、ボコボコにして去っていく。僕らを切った後、煙だけ残して去っていく。その煙は服の繊維の中に潜み続けてずっと香り続ける。まるで僕らは煙以外に何も羽織っていないかのように。人は目の前から去っていくものだし、僕らもそれは同じ。僕らはほとんど弱まることの無い煙の跡を残し、ついに永遠に消散していく。時にそれはいつの間にかなくなるし、全然なくならないこともある。

※New England PatriotsはNFL(ナショナルフットボールリーグ)のチームの一つ。彼はアメフトの選手だったということです。

Tallahasse Official Site

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プレイリスト


  1. Welcome to Daytrotter
  2. Winter Trees
  3. Wooden Heart
  4. Time
  5. Jealous Hands


2011年12月2日金曜日

Other Lives


Nothing Like The Hard To Believe Better Days

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Naoko

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ここ最近私たちが吸収している風潮は誰にも貧困など想わせない。そんな素振や気持ちを装う必要はない。目の前にある、何ものっていないお皿がそのものだし、月末や、隔週の金曜日がそうだ。この国が大勢の人にとってうまく動いていた時代がかつてあった。若い物書きが世界大恐慌へのマジカルな思いを馳せ、彼等のキャラクターが、「日々小銭を稼ぐために骨の折れる労働を強いられながらも食い繋ぎ持ち家の権利の失効と戦うこと」を描くことが許されていた時代。そんなに遠くまで飛んでいかずとも全てが困難な場所はそこにある。本当に嫌な時代のその真ん中にいる。疲弊を知るためにキャラクターを創造しなくてもよい、しかし、私たちはそんな余裕もないのに、自ら発売同時にiPhoneを購入し、ケーブルテレビや高価なジーンズ無しではいられない。ここに、そしてオクラホマのスティルウォーターに、Other Livesというバンドのアルバムがある。今年の他の全ての素晴らしいレコードに真っ向勝負できる。芸術的な表現と深みと適時性と、極めて重要な、不朽さがある。"Tamer Animals"は、アルバムの中でも大きな怪物で、社会に置いてかれた不運続きの者達にとっては賛歌に感じるだろう。楽曲はあまり多くを求めない者の視点から来ているようだ。家族が食べていけるだけでいい、住む場所があって、そして雨を凌げる、手足を骨折しても治せて、素敵なクリスマスを過ごせる、そのための少しの余裕。がしかし、そういうことは全部次第に厳しくなってきている。

Jesse Tabishのストーリーの中の人は、運がよければ残り物やクズを頂ける、そしてもう祈ることも諦めている(様に見える)、なぜなら信仰とは、汚い言葉になってしまったからだ。何たるかの確信もないモノのためにここにうめき彷徨うために取り残された。多くのの曲、特にこの二回目のセッションで残してくれた3曲は、ひと気のない緩やかな丘にほっぽり出され、眠る場所もなく、対策を立てる補給所もなく、文字通り望み少ない、そんな風を感じさせる。増大する問題と、沸いてくる不安、そのプレッシャーを逃してくれるような開口バルブはない。ただ組まれてゆく、そこに動き続ける自由はある気がするが、それは人々を抑えるものも支えるものも何もないからだ。Tabishは"spouting hymns"を歌う。呪いか叱咤によって空に投げ出され、そこで見たことのない誰かに挑戦しているようだ、また何か信じられることを与えてくれ、と。一般論では、西に向かい続ければ太陽が当たり土も生活ももっと実のあるものだ。良い事も、良い日々も其処に確かにある、もう少し歩き続ければ、その先にワインや甘いハニーがあり、野菜を植えるガーデンがある。子供が走り回れる裏庭があり、そこで飼ったことのない犬を追いかけている。Tabishが歌う、

"Is there any way to get this weight off my skin/Find another one/Is there anyone get this writing off the wall/Find a new one,"(この重みを肌から剥ぎ取る術はないのか/もうひとつを探せ/この文字を壁から取り去る人はいないのか/新しいのを探せ)

この言葉は、突き抜けることの出来ないレンガの壁ほど硬いこと、逃れられないことに面している、そんな人の言葉だ。
Other Lives Debut Daytrotter Session
Other Lives Official Site
Wirewax

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セットリスト


  1. Welcome to Daytrotter
  2. Dust Bowl III
  3. Old Statues
  4. For 12




2011年12月1日木曜日

Dewi Sant


The Guy Who Buys Flowers

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi



























Dewi Santはみんなが話題にする人物の様に見える。彼の優しさと良心が彼の評価を先立たせて(それか後押し)しているのだ。彼が捧げる愛とロマンスの行いはしっかり人々の印象に残り、彼が天国の扉に立つ時に彼の行動はしっかり報われる。あたかも旅立ちの前にみんなの前で礼をするチャンスを彼に与えるように。そう、彼にスタンディングオベーションが捧げられるように。きっと誰もが思うことだけど。彼を振った女性達一人一人が、きっと彼と二人で築いたものを台無しにした自分達を懲らしめたいと思ってることだろう。

僕らは彼の良いところをたくさん挙げているけど、彼の書いた曲を聴いたら、「この人は絶対に人の心を砕くことが出来ないだろう」と感じるはずだ。僕らは彼が恋に破れて去っていくのを見て、悲しくなる。まるで自分達の問題の様に彼に同情する。彼の実生活の恋愛を知らずとして、僕らは彼が悪者の立場に立つなんて絶対に想像できないのだ。彼はこんな目にあうべきではなかった...にも関わらずそれは起きてしまったのだ。

彼は特に理由もなく花を良く買う人物。彼は君のためにドアをあけて、席に座る前に椅子を引いてくれる人物。彼は慈悲を求める人物。(君から)もっとソフトで、慈悲深い視線を求めている。彼は愛する人のためであれば何があってもいつでも会いに来てくれる。絶対にだ。彼は星の光の事を考えて、ただその光が美しい顔を横切って流れていくことだけを浮かべている。その光が手を取り合って真夜中に散歩する僕らをどうやって導いてくれるのだろう。"Dance Me To The End Of Love"という曲でSantはこう歌う

「燃えるようなバイオリンの響きと一緒に、君の美しさに合わせて僕を踊らせてくれないか/ダンスをしながら恐怖を乗り越えさせてくれよ/僕が安全に包まれるまで/オリーブの木の枝の様に僕を持ち上げてくれないか/家路を導く鳩になってくれ」

そして彼はこの曲のタイトルを口にする。でも君しっかり聞いていないと"Love"という言葉が"Thou"(古英語の"You")に聞こえてしまう(Dance me to the end of you)。でも、その文脈でも間違いでは無いように感じる。そうするともっとフォーマルな、シェイクスピアの色調の古英語のアピールが出てきて、それは「愛って何なの?」という謎を知る必要を反映するものになるだろう。それは相手がどうやって愛情を表現するか見つけ出すってこと。誰も見たり耳を澄ませたりしていない時、その愛情表現がどんなものなのか知るって事だ。そして同じ量の愛を受け止められる誰かを決めることだ。ミネソタ出身のSantと、彼のワルツ調のフォークソングには意気地の無さはどこにも無いし、彼はそれを変える気もない。


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セットリスト


  1. Welcome to Daytrotter
  2. Forks
  3. Untitled
  4. Lullaby

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