2011年7月28日木曜日

Grimes


The Tender, Smokey Whispers Of The Dance Floor

Jul 27, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi

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Clair Boucherは握手するときいつも手をへにゃへにゃにして力を入れないような女の子だ。君はその手を握り締めるが彼女はゆっくり自分の手を引き戻して、背中に回したり、ポケットに突っ込んだりする。彼女はとても小さい女の子で....弱々しい感じだ。ジャージや一回り大きいセーターを着て、何週間も何ヶ月もソファーで寝転がっていられる。自分の好きなことに浸かって、自分の頭の中の声以外何も聞こえなくなる。明らかにここではカナダの音楽家、Grimesとして奇妙で超ムーディーなエクスペリメンタルエレクトロニカとR&Bを融合した音楽を体の内側からそっと引き出している。彼女はもしかしたらラバライトの中身で構成されているのかもしれない。騒々しくゆっくり動く、ひらひらした灯り。それがまるでおばあさんが腸の中を運転するようにゆっくりゆっくり彼女の体の中を通っている。彼女の音楽の中で吐き出されるのがその光り輝く物質なのだ。暗闇で物が見えるくらい明るい光だけれど、常に僕らを不思議な気分にさせる。どうなるかは分からない。

最新作"Darkbloom"を聞いていていつも感じるのは、何か非常にパーソナルな領域に首を突っ込んでいるんじゃないかっていう事。突然誰かが裸でいる時に部屋に入ってしまい、それでもその人は気づいていなくて、そっと静かに背中から抜け出そうとしている。だから裸の人物僕らが部屋の中にいたなんてこと思っても見ない---そんな感覚。そこにある葛藤、あの遠くから見てとても魅力的だったあの裸、実はもっと見たいって思ったあの裸は社会的恥になりえるのか。もし僕らが見つかっても構わないって思っていたら?もし、恥をかくのが相手側だけだったら?未知の領域にある生々しい肉体と髪の毛を僕らが手に入れられたとしたら?それは絶対問題になるよね。でも、そういう感覚をアルバムで聞くことが出来る。そういう説明がつけられない状況が宙を飛び回っている。「僕らはどうすればいい?どうすればいい?」あの裸の人も同じこと考えてるよ。

Grimesの音楽は本当に生々しくてエモーショナル、そして言葉に出来ないほど優しい。Boucherは殆ど何言ってるか分からない、もごもごとスモーキーな影と霧に包まれたような囁き声を発する。どれだけ痛々しい言葉を使おうとも、アロマオイルのように僕らを和ませる。落ち込んでいる人達を慰めて、立ち上がって踊りたくさせるかもしれない。他の人は彼女の音楽を聞くことで、心拍数を鎮め心を平常に保ち、叫びたくなる衝動を抑える。僕らはこれからも生き続けるのだから。

Arbutus Records

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セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. Crystal Ball(Darkbloom収録)
  3. Heart Beats(未発表)
  4. Vanessa(Darkbloom収録)

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