2011年6月9日木曜日

David Byrne インタビュー Part II





Pitchfork(以後PF):Stop Making Senseのライブ映画とツアーで得た偉業を考えると、あなたのパフォーマンスは演劇風であるという点で、バーを高くしなければならないという義務を感じますか?

David Byrne(以後DB):イエス、そしてノー。確かにあのツアーをどこか演劇風に仕上げたかったけれど、その前のツアーでは僕はストリング隊を使用して、劇的な要素は一つもなかったんだ。音楽の問題なんだよ。だから、僕の予算でどう賄おうかいろいろ考えて、何千万の人間がやった事が無い事をやろうと頑張っているんだ。Stop Making Senseは誇りに思ってる。けれど、ちょっとした飛躍だった。あれと競う事はできないよ。無視する事も出来ないけどね。

PF:あの映画は独自に一人歩きしていますね。

DB:そうだね。ちょっとの間、まるでツアーが絶対終わらないように思えたんだ。映画はずっと観られ続けている。何人もの人が実際のライブショーを見る以上にあの映画を見たんだ。あの映画では、2500人が収容できるシアターで演奏して、アリーナとかスタジアムとかいっぱい人が入るような所じゃなかった。僕らはライブで荒稼ぎするようなバンドじゃなかったけれど、成功していたし楽しかったよ。実のところ、多くの人があれは本物のライブじゃなくて、(監督の)Jonathan (Demme)がステージ上で造り上げたものだと思ったみたい。

PF:Rise, Rise, Roarに移って、あなたのホームスタジオが見れた事とBrian EnoからE-mailで音の要素をもらって、Everything That Happens Will Happen Todayに吸収させているのはとても興味深かったです。インターネットで長距離から誰かとコラボレーションすることの利点と欠点はなんでしょうか?

DB:今はたくさんやっている。最近Will Oldham(Bonnie "Prince" Billy)と何曲かそれをしたんだ。それが一対一だと結構簡単なんだよ。とくに欠点は見つからないな。自分の立ち位置をわきまえて、それぞれの領域に侵略しなければ良いんだ。ある部分で、(ネットを通して)データを行ったり来たりさせるのは、スタジオでのレイヤリングに似ている。けれど、作業を何分かに分けるんじゃなくて、時間と距離を引き延ばしているだけなんだ。

多分あのレコード(Everything That Happens Will Happen today)は僕が観客のサイズを予想できると考えた初めての作品だった。ほとんど自主制作だったしね。だから、レコードをこの方法でつくることで、多額な費用を使わずに済んだ。経費はかなり低かった。だからレコード会社に「録音の費用を払わなければ行けないんです。」って言わなくてよかった。

Stop Making Senseは誇りに思ってる。けれど、ちょっとした飛躍だった。あれと競う事はできないよ。無視する事も出来ないけどね。


PF:スタジオにお金をかけずに、自分がしたいと思うことが出来る機材はそろっているのですか?なにか限界を感じる事は?

DB:まあ、あのアルバムでは本当のスタジオでミックスをしてもらったよ。ブラスや、生のドラムや他の作業、ラップトップじゃやりきれないことをスタジオで録音する期間もあった。僕はバンドが二週間も三週間もスタジオにこもって録音するの見るといつも驚いちゃうんだ。「どうやって払うの??」ってね。でも僕の友達に、町の外へ出て、NYのスタジオの10分の一の価格で貸してくれるスタジオを探す奴がいる。そこで録音するんだ。納得だよね。

PF:Byrne/Enoツアーの踊りや振り付けはどれくらい関わったんですか?

DB:僕の提案はかなりゆるかった。最初の方でダンサーっぽい感じに見えるのは嫌だなって行ったのは覚えてるんだけど。なにか達人芸ができるならば、ちょっとずつそれは採用してほしかった。できるだけダンサーをバンドと馴染むようにしたかったんだ。彼らがやっていることは僕らがちょっと筋トレしたら多分できるようなことだから。

実際の振り付けにはツアーが始まるまで無干渉の姿勢を保っていたんだけど、もっといろいろ付け足したかった。(振り付け師の)Annie-Bの僕らがオフィスの椅子を持って回るようなあんなようなやつ。僕らは「オフィスチェアーが舞台裏にいつもおいてあるけど、使っちゃだめ?」って感じだった。そして、ミルワーキーに二人でDeerhoodを見に行って、ライブの最後彼らはギターを持ち上げて15秒間フィードバックがあったんだ。僕は「すごいな、ギターで新しい踊りをやってる。僕らもやろう。」って思った。あとはわかるでしょ。

PF:つまりツアーの途中でどんどん築き上げて行ったと。

DB:そうそう、足して行って、バンドと、歌手と、ダンサーをもっと近づけたんだ。ダンサーの一人がギターを弾いていたって知った時に、「ああ、あの曲ギターをもう一本加える事できるなあ」って言った。僕は色んな物をくっつけるから、一つのグループがどこで終わってまたどこで始まるかわからないんだ。絶対にドラマーは立ち上がって踊ったりしないよ。多分ね。

[完]
原文:Pitchfork David Byrne Interview

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