2011年7月9日土曜日

Colin Stetson


The Pink And Golden Metal Reflections Of The Effect

Jul 8, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered and mastered by Sam Patlove
Translated by Teshi

Download





雨が降ると、トルネードが一過した証拠だと人は言う。もう君や、君の所有物を吹き飛ばしてしまった。自然の怒り、雷の衝突が男の理念を表し、女や子供も雨が降る頃には落ち着きを見せ、荘厳で終わったばかりの争いが残したもの、それは何か心を安静にし、またかき乱す。濡れた衣服、ぞっとするような沈黙はベッドやソファに滴る水滴のみによって破られる。道理はひっくり返された。景色は突然移り変わってしまった。だが、君はやっと頭が働き、自分がこの新しい失われた土地で静かに泣いていることに気づく。新しくて、静かな場所だ---以前は神聖なものとして崇められていて、全体を包括していた普通だった世界はバラバラの粒子になり君を囲んでいる。モントリオールはAnn Arborの、Colin Stetsonはこういう世界へ僕たちを連れて行く。様々な場所(Arcade Fire,Bell Orchestre, Bon IverのJustin Vernonのツアーに参加)でサクソン奏者として活躍し、知らない場所で飛行機墜落事故やその後の爆発を目撃、あるいは耳にしたりして、「恐怖の沈黙」を味わった人間の「忘れ去りたい記憶」(のようなもの)を鳴らしている。

"Judges"という曲は、スウィングで始まり、灯台から鳴らされているような咽び声をあげる。音はくたびれた岸や海岸上の土に引っかかり、失われた愛や誘拐された子供を呼んでいる。クラリオンの音が深い霧の中から助けを求めている。これは人間が恐怖を見せる時のサウンドだ。合図として光が一周したとき、水を打ち付ける。水の中にはピンクや黄金色にかがやくガソリンが映し出されている。液体は地上に向けて漂っていく。遠くの海で座礁した舟のタンクから流れ出たのだろう。これは過去に起きた事件が今の僕たちに伝えるメッセージなのだ。目を避けたくなるようなものかもしれないが、誰かが立ち上がって見に行く必要がある。掃除をしないと。曲の最後はまるで幽霊、あるいは最近迷子になった魂が話し始めているように聞こえる。Stetsonはサックスを不穏に鳴らし続け、煙を出し僕らを怖がらせている。

”New History Warfare -- Judges , Vol.2"に収録されている曲は、今どこかで傷ついている壊れた心をつなぎ合わせたようである。今どこかで、ハゲタカのように※瓦礫の中から腐った声を探しにいくべきなのか...。今まで聴いたことの無いような音、しかしそれは驚くほど人間性に溢れている。Stetsonは彼なりの表現方法で自分を曝け出し、残骸を集めて「新しい詞」として組み立て上げる。

※原文はScavengerといって、「腐食肉動物」って意味です。

Colin Stetson Official Site

試聴・ダウンロード

セットリスト
  1. A Dream Of Water(Judges Vol.2収録)
  2. Awake On Foreign Shores(Judges Vol.2収録)
  3. Judges(Judges Vol.2収録)
  4. The Righteous Wrath of an Honorable Man(Judges Vol.2収録)




0 件のコメント:

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...