For The Deepest Quiet, It Beats
Jan 18, 2011
Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi
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Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
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Will Wiesenfeldの印象的なデビューアルバム”Cerulean"の中でそれを聞くのはそう難しくない。けれど、今回のセッションではさらに簡単にその感動を聞くことができる。4曲中3曲は実際にレコーディングをせず、ライブのみで披露された楽曲だ。WiesenfeldのプロジェクトBathsは時として娯楽のような楽しい音が鳴らされる。しかし現実では彼は体が大きい軟弱な人間のようだ。彼はきっと枕に詰めるようなふわふわしたプラシ点の素材で出来ているのだ。彼はきっと涙もろくてすぐ泣いてしまうだろうな男だ。多分今は亡き愛する人たちのぼろぼろになった写真を財布の中に入れていて、落ち込んでいるときに時々見返しているんだろう。Wiesenfeldが蘇らせる物語の攻撃的で活発なビートの中には何か心の闇が潜んでいるように感じられる。しかしここではシンプルにピアノとちょっとしたビートが加えられているだけで心が晴れることはあまりない。闇が年老いた犬のようにどっしり腰をすえているのだ。犬は君の体の上にだらしなく、締りの無い丸太のように横たわり、いずれ足が痺れてくる。こいつは頑固強く長い間居座り続け、時々重みを軽減させようと動くけれど、ずっとそこから退くことはない。Bathは僕らをイライラさせたり、困った立場に追い込もうとするもの達をギリギリまで追い詰めようとする。僕らは心が折れ、精神的な痛みに苦しむ。そうする以外に選択肢が無いからだ。そういう風に生まれてしまったからどうすることもできない。悲しみを全て飲み込んで、孤独な灯火が宿るまで、苦しみに心を打ちひしがれる。
”The Water”という曲で彼はツアーメイトのMartin Doshとコラボレートした。この曲を聴くと、寂しい夜、何の明かりも無い静かな森の真ん中で会話している気分になる。外に設置された床の足音がまるで大砲の放火音に聞こえる。窓を開けて、こういう夜の中へ出かけたいと思わせるのだ。もしかしたら外は寒くて、帽子や手袋が必要かも。片手には懐中電灯を持って、ガラスで出来たたくさんの目が木々の隙間から照らし出されて、君を覗いている。でもそこには目的もなくそぞろ歩く彼らを落ち着かせる静寂がある。アウトドアのホットタブから引っ張り出されたかのように彼らからは湯気が立っている。身を切るような寒さの中風が吹き、彼らは体温との寒暖差に弱弱しくなっている。Wiesenfeldは”Plea”の冒頭でこう歌う。「愛する人よ、ここは暗い世界で、僕はフォーカスを無くしてしまったよ」そして僕らは混乱の中へ迷い込み、真っ暗な闇の中、道も分からずうろうろしている。彼はこんな世界を真剣に捉え、もっと詳しく知ろうとかなりの時間を費やしているようだ。彼がこのセッションの終わりで「闇の世界」についてまた歌いだす時、僕らは彼の言っている事を無視をしてはダメだと感じる。これは一時的なものではないけれど、何か母斑のように跡がつき、消すことが出来ないものだ。彼はなにか急かされるようにこう歌う。「ここにある静寂は愛が無くても底が見えないほど深い/水が僕らの一部だって感じずにはいられないよ」そうして僕らを深くどす黒い水の中に連れて行き、足から水の底まで引きずりこませる。そこからは何も見えないけれど、体は10倍以上も感度を増す。
Anticon Records
試聴・ダウンロード
セットリスト
- Welcome To Daytrotter
- Plea(Celurian収録)
- Reminisce(未発表)
- 1149K(未発表)
- The Water (Feat. Dosh)(未発表)
Plea--ちょっとした知識ね。今回、デイトロッタースタジオにあった三つ違った種類のピアノを使ったんだ。そうすることでそれぞれ違うサウンドがうまれるだろ?
Reminisce--この曲は三年前に書いたんだけど、ライブで演奏するのは今回が初めて。レコーディングもしてない。
1149K--ツアーに出ているときに書いたんだ。プラグが引き抜かれるときの音一つだけをサンプリングしてある。今回のセッションで生まれて初めて演奏するよ。
The Water--九月にツアーに出るちょうど前に書いた曲。でもDoshが演奏するドラムパートをつけたのは今回のデイトロッターセッションが初めて。
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