2011年12月2日金曜日

Other Lives


Nothing Like The Hard To Believe Better Days

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Naoko

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ここ最近私たちが吸収している風潮は誰にも貧困など想わせない。そんな素振や気持ちを装う必要はない。目の前にある、何ものっていないお皿がそのものだし、月末や、隔週の金曜日がそうだ。この国が大勢の人にとってうまく動いていた時代がかつてあった。若い物書きが世界大恐慌へのマジカルな思いを馳せ、彼等のキャラクターが、「日々小銭を稼ぐために骨の折れる労働を強いられながらも食い繋ぎ持ち家の権利の失効と戦うこと」を描くことが許されていた時代。そんなに遠くまで飛んでいかずとも全てが困難な場所はそこにある。本当に嫌な時代のその真ん中にいる。疲弊を知るためにキャラクターを創造しなくてもよい、しかし、私たちはそんな余裕もないのに、自ら発売同時にiPhoneを購入し、ケーブルテレビや高価なジーンズ無しではいられない。ここに、そしてオクラホマのスティルウォーターに、Other Livesというバンドのアルバムがある。今年の他の全ての素晴らしいレコードに真っ向勝負できる。芸術的な表現と深みと適時性と、極めて重要な、不朽さがある。"Tamer Animals"は、アルバムの中でも大きな怪物で、社会に置いてかれた不運続きの者達にとっては賛歌に感じるだろう。楽曲はあまり多くを求めない者の視点から来ているようだ。家族が食べていけるだけでいい、住む場所があって、そして雨を凌げる、手足を骨折しても治せて、素敵なクリスマスを過ごせる、そのための少しの余裕。がしかし、そういうことは全部次第に厳しくなってきている。

Jesse Tabishのストーリーの中の人は、運がよければ残り物やクズを頂ける、そしてもう祈ることも諦めている(様に見える)、なぜなら信仰とは、汚い言葉になってしまったからだ。何たるかの確信もないモノのためにここにうめき彷徨うために取り残された。多くのの曲、特にこの二回目のセッションで残してくれた3曲は、ひと気のない緩やかな丘にほっぽり出され、眠る場所もなく、対策を立てる補給所もなく、文字通り望み少ない、そんな風を感じさせる。増大する問題と、沸いてくる不安、そのプレッシャーを逃してくれるような開口バルブはない。ただ組まれてゆく、そこに動き続ける自由はある気がするが、それは人々を抑えるものも支えるものも何もないからだ。Tabishは"spouting hymns"を歌う。呪いか叱咤によって空に投げ出され、そこで見たことのない誰かに挑戦しているようだ、また何か信じられることを与えてくれ、と。一般論では、西に向かい続ければ太陽が当たり土も生活ももっと実のあるものだ。良い事も、良い日々も其処に確かにある、もう少し歩き続ければ、その先にワインや甘いハニーがあり、野菜を植えるガーデンがある。子供が走り回れる裏庭があり、そこで飼ったことのない犬を追いかけている。Tabishが歌う、

"Is there any way to get this weight off my skin/Find another one/Is there anyone get this writing off the wall/Find a new one,"(この重みを肌から剥ぎ取る術はないのか/もうひとつを探せ/この文字を壁から取り去る人はいないのか/新しいのを探せ)

この言葉は、突き抜けることの出来ないレンガの壁ほど硬いこと、逃れられないことに面している、そんな人の言葉だ。
Other Lives Debut Daytrotter Session
Other Lives Official Site
Wirewax

試聴・ダウンロード(月々$2のメンバー登録が必要です)

セットリスト


  1. Welcome to Daytrotter
  2. Dust Bowl III
  3. Old Statues
  4. For 12




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