2011年10月10日月曜日

Leslie Stevens and The Badgers


The Sweetest Thing, This Pain Of Hers

Oct 8, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi

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Leslie Stevensの悲しみ、痛み、そしてメランコリーは君が一生の内に聴く何よりも素敵なものだ。彼女はそれらを時と回復の間の決戦のように聞こえさせる。いや、あるいはその二つの結託なのかもしれない。幾つかの夜に起きた失敗について再び語り始める痛切なストーリーの中に愛らしい光と幸福の涙が連なっている。彼女はあたかも洪水や酷い夕方の雷雨が全て洗い流してしまって、悲しみはその何も無い場所に立ち尽くしているように聞こえさせる。悲しみはそこに立ち尽くして--多分嵐を呼んだのもこいつの仕業だろう--まだ少し雨のせいでびしょ濡れになってイライラしているけれど、太陽が次第に顔を見せ、暖かい一日が戻ってくる。普段と同じように。いつの間にか服は太陽の暖かさで乾き、ちょっと前の嵐の事なんかもう誰も考えていない。こうして悲しみは空気の中に蒸発してゆき、空の上で多分踊りまわっていることだろう。日差しが虹の中に穴を開けている。


Stevensはうまくいかなかった恋愛の痛みを僕らに提示する。それは体がよじれるほどの痛みだが、同時に「誰かが去ってしまった」瞬間世界は衝突すると考えてしまう弱さ、その前兆を僕らに先立って教えてくれる。Los Angelesを拠点に置く彼女は、"My Tears Are Wasted On You"という曲である男について思い出す。この男は『僕の愛は海より広い』と彼女に詩を書き、愛の様に力強いものは何にも変えられないと誇張された台詞を彼女に与えていた。ああ、もしその彼に夢中になっていたらそれはとても素敵なことのように聞こえていただろう。でもそれはただの甘ったるいマシュマロ。飾りなのだ。簡単に言い直すことができるし、すぐに忘れ去られてしまう。愛の様に逃げ足が早いものはどうしたって変わりゆくものだしね。特に自分たちが恋に落ちている時やそう思っている時は。愛ほどリスクを伴い、不確かなものは無い。誰かに聞いてみな。


Stevensはオールドタイムなカントリーやウェスタンの歌手のように胸の内を明かしながら。男と女の困難を描く。しかし、60年代から70年代のLaurel Canyon Hillsで活躍した女性達※の様にソフトなメロディーの抑揚にこだわっている。まるで(テクニックを)Mama CassやMichelle hilipsから教授したようであり、その中にLoretta LynnやDolly Partonから学んだことを編みこませている。彼女は僕らに甘く歌うのだが、まるで聞き手と歌い手がバーでベロベロに酔っ払いながら彼女の歌を聴いているみたいだ。照明は薄暗く、ほとんど掃除しない床にはピーナッツの殻が転がっている。悲しいストーリー--男との過去の話--が彼女の口から放たれ、シンフォニーを必要とする哀れみなどそこにはない。代わりに僕らは空になったコップを叩いて、次の酒へ手を伸ばすだけだ。
Leslie And The Badgers Official Site


試聴・ダウンロード

※Laurel CanyonはLAにあるエリアで60年代よりカウンターカルチャーの中心部だった。Frank Zappa, The Doors、Joni Mitchellなどが住居を構えていたことでも知られる。



セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. Roomful of Smoke(Roomful of Smoke収録)
  3. Old TimersRoomful of Smoke収録)
  4. My Tears Are Wasted On YouRoomful of Smoke収録)
  5. Los AngelesRoomful of Smoke収録)



Leslie Stevens at This from THIS on Vimeo.

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