2011年12月15日木曜日

Matt Bauer


Sparseness In The Gloaming

Words by Sean Moeller, Illustration by Johnnie Cluney, Recording engineered by Mike Gentry, Translated by Teshi

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このエッセイを書き始める3日前にMatt Bauerが自身のウェブサイトに写真を載せていて、それは彼の作る音楽を一言たりとも説明できるようなものではなかった。それは写真の中の写真だった。掲げられている写真は何十年も前の白黒のポートレイト写真だった。そこには過ぎ去った日々の感傷と感動がフルに詰め込まれていた。写真の中の息を呑むほど美しい若い女性は彼の母親で、家宝として受け継がれていくような大切な写真だ。そういうものは最も純粋な時間の一部を凍結している。一度撮られてから何年後も後に見返して、「そこにいる人はその時は何も考えてなかったんだから」なんていうコメントがされるのだ。それが暗示するのは、その人物が撮影日にレンズの奥を見つめていた時ほど、物事は当初考えていたよりも上手くいかなかったってことだ。ひとつなぎに並んだ馬の集団よりも力強く、何千もの抱擁よりも温かい微笑みを見せていた時ほど。

彼の母親は太陽に目を向けていて、そのせいで彼女の目は少し閉じてしまっている。でも見てわかるように、彼女の顔は幸せそうだ。まさにその瞬間、彼女は幸せで幸せで仕方なかった。人生は最高で、その幸せを揺るすような理由も疑いもどこにも見つからなかった。Bauerはその写真を手に持っていて、角っこに彼の親指が覗かせている。おなじページに、机の上に乗っている死んだ青いカケスと彼の裸足のつま先が載った写真を見ることができる。彼が自身のサイトに選んで載せた写真は、言葉が出来る以上に思い出の欠片を説明しているように思える。その思い出たちが実際にスクリーンの中から息をして、つやの消えたボロボロの紙を吹き飛ばしているのだ。彼の母親は伝えたいことがたくさんある。言葉など必要ない。僕らは彼女があの写真撮影の日から幸せな人生を過ごしたのか、気になっている。彼女の望んだように行ったのだろうか?彼女が才能に溢れた息子を授かったのは僕らも知っているし、多くの人にとってそれ以上に気にかけるものはないのだ。

多分それが彼女をその先も美しく、幸せにしたのだろう。Bauerは作家としてそういう「消滅することを許さない」瞬間に焦点を置いている。そういう瞬間は続いてゆき、君を自分が認めたくなくなるほど長い間心配させることになる。君はそんな物語をもっと聴きたい。もっと他の話も...彼らのまばらな、黄昏の中でのダンスも魅力的だからだ。彼はそんな人々や、場所、夜の中に消えて行く物事について歌う。彼の興味あることはほとんど夜の帳の中で巻き起こっているように感じる。闇の中で僕らは一人じゃないと感じているけれど、核心はもてない。僕らはそこに何がいるか知りたい。もっと。何が見えない闇の中を切り裂いて、僕らの肌を擦っているのか知りたい。どうもそれは僕らの一部みたいだ。だから僕らは懇願する。彼も同じように懇願する。

Matt Bauer Official Site

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セットリスト


  1. Welcome to Daytrotter
  2. Morning Stars
  3. Tics 1979
  4. Poplar Trees
  5. Blacklight Horses
  6. Waiting For Your Shadow

TICS 1979 by Matt Bauer from matt bauer on Vimeo.

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