2011年9月5日月曜日

Daphne Willis


Cautiously Optimistic That The Broken Can Be Pieced Back

Sep 4, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi

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僕は心のどこかで、人間が完璧に回復の余地が無い状態まで達するのは不可能だと思っている。今まで科学や人間の回復力の姿が何度も何度も持ち上げられ、証明されてきた。幾度と無く僕たちは「また歩けるようになった」「また視界が戻ってきた」「誰かが見つかった」という物語に関与し、それらの証明されたセオリーに納得する。特に「心を引き裂かれた人達がまた誰かを愛することが出来る」というセオリーには。でもシカゴを経由してやってきたナッシュビルのシンガーソングライターDaphne Willisは腹を立てて僕に反論し、矛盾を証明しようとするだろう。彼女は僕らが言ったり見せたりする事全てに対して「大丈夫大丈夫」と言うだろう。しかし「一つとして同じ状況は無いんだよ」と提言する。あっちでは回復は可能だけど、こっちでは…。無理、ありえない、この人もう死亡。これは別れがきついタイプだ。再び信頼を取り戻し、恋愛に対し再び心を開けるように復活するには、何百万いや、何億万に一度の確立しかない。Willisの恋愛に対する観点は必ずしも憂鬱な最後を見つめているわけではないが、彼女は、恋は間違った方向へ進むとさらに酷いことになると主張している。そうなってしまったら回復までに時間がかかるのだ。

彼女の最新作、”Because I Can”に収録される”One By One”は回復の曲だ。どれだけ大変だろうが、物語の主人公は死の床から自分を蘇らそうとしている。Willisは「壊れてしまったら、どうすることも出来ない」と歌い、それが実際に起こるかどうかは何も言う事ができない。それはちょっとした敗北ではあるが、彼女が自分自身をそこまで徹底的に痛めつけているなら、誰も何も彼女のためにすることは出来ない。壊れた物によってもたらされる破壊。そこが一番辛いパートだ。それでも彼女は、夜中に自らを一回きりで復帰させようとしている。自分を取り戻すために必要な、バラバラになってしまったピースを見つけ出すことが出来るのだろうか。Willisの声は復活を応援しているように聞こえる。力強い声で、まるで以前に何十回も打ちのめされてこの精神状態を経験したことがあるようだ。彼女は経験から歌い、信心深い楽観主義の光を放つことが出来る。彼女の光有りと無しで結果は大分違ってくる。
Daphne Willis Official Site

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セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. One By One(Because I Can収録)
  3. Stay(未発表)
  4. Do What You Want(Because I Can収録)
  5. Slow Down(Because I Can収録)



2011年9月4日日曜日

Leo Rondeau


The Sad, Long, Everyday Nights Of Women, Bars And Making Them Less Sad

Sep 2, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Matt Oliver
Mastered by Sam Patlove
Translated by Teshi
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愛の人生とソングライターとしての人生はLeo Rondeauの曲の中では同じ時間を、同じように流れている。それらは泣きじゃくった子供が溶けたアイスクリームコーンの事を話す時とか、中年の男が長ったらしい「後悔」のリストを読み上げるのと同じ方法で僕らに語られる。溶けるアイスクリームーンは想像してもらえば分かるだろう。涙もろい部分なんだけど、これはもっとカントリーやウェスタンな涙もろさ。それが良い所だ。涙もろいって言っても、涙は長い間まつ毛とか瞼の上には残らない。たとえ目から流れる時にM&Msくらいの大粒で頬をつたったとしても、殆ど跡を残さない種類の涙だ。人類が解明した(あるいはまだ解明されてない)塩と水と、驚くべき速さで蒸発する成分でミックスされた涙。あの溶けてしまったアイスクリームは...子供達はいつか忘れてしまうだろう。手についたベトベトも石鹸を使わなくても洗い流せるし。それよりも、「後悔」のリストがまた違う次元で提示されるのだ。

だからといって、オーバーに考えるような問題でもない。何か作業中に中断させられた事とか、リスクを背負わずに夢も追わずいた事とか、ナンパをしなかった事とか後悔していると夜はすぐに過ぎていってしまう。誰もそんな事してる時間無いだろ。もっとやらなくてはいけない事がある。意識し続けられたらだけど、なにかもっとすぐに注目を集めるような事をやらないと。しかし、彼の楽曲の中では後悔は重みを持っている。生々しい音色がヒットしてリアルな憂鬱がそこに留まっている。彼が素晴らしいカントリーシンガーである由縁はそこなのだ。良きカントリーを奏でるには、誰か、痛々しくてでダメージを受けたリアルな感情を表現できて、同時に人々に安らぎを与えられる者でなければならない。そして彼は様々な問題や悲しみも提示し、物語に誰も予想出来ない展開を加える。

"Washed Up Troubadour"という曲には作家とシンガーの願望が描かれ。彼らは数々のバーを回って、
ステージに上がりどうでもいい人達のために毎晩、客の酒のつまみのために歌う。それでも諦めきれない。「ここまで」やっと来たんだから、という感傷がそこにある。あと少し頑張れば夢が叶うという期待。しかしこの曲のキャラクターは、いわゆる絶望を共にしていて、Rondeauもそれを認識している。彼はきっとバーから外に出る事は出来ないし、これからもずっとバーで歌い続けるだろう。カントリーミュージックの大劇場には絶対辿り着けないし、それは別に...それでもいいと思っている。でも本当にそれでいいのか?(夢を諦める)痛みが彼を刺し、沢山の目標も失ってしまう。Rondeauはこう歌う。「良い奴らの前で演奏したし、くだらないジョークも結構言った/いつも何を言えば正しいかわかんないんだ/誰も俺の事愛してくれなかったから、自分のことは大事になくてはいけなかった/だからここまで来たのも全然怖くなかった」完璧な荒廃状態ではないが、近いところまで来ている。長い間一人で、たくさんのしょぼい悲しげなホテルとか休憩所で夜を過ごしたんだろう。

女性が登場する物語は同じように絶望的で、間違った種類の関係や干渉が糸のように繋がっている、絶対にうまくいかない二人が惹かれあって、今度こそ運が回ってきたと思っている。二人とももうちょっと考えるべきだった。でも、最低話のタネにはなるし、次に回る酒場でちょっと装飾を加えて披露してもいいかなと思っている。Rondeauと彼のキャラクター達は夜を楽しむためにはすこし手助けが必要だという事を認識している。彼らの下に愛すべき影を作りだす心の中の悪魔や悲しみを対処しないといけない。何杯かビールをひっかければ、気分が良くなって皆に感情をひっかけてもいいんじゃないかと考え始める。
Leo Rondeau Official Website

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セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. Bound To Be A Winner(未発表)
  3. Don't Quote Me On That(未発表)
  4. No Friend To Lousiann(Down at the end of the bar収録)
  5. Washed Up Troubadour(未発表)

2011年9月3日土曜日

Daytrotter 100回を記念して。 Part II

Daytrotter連載100回を記念したジャンル毎総集編の第二弾です。


インスト
まずはお勧めのインストバンドを紹介します。




Anamanaguchi (Jul 21, 2011)
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ニューヨークから来たピコピコファミコン8bitサウンドを奏でる四人組!















My Education/Theta Naught(July 23, 2011)
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オースティンから来た弦楽器や木琴などを配する大御所インストバンドMy Education.荘厳で、ダイナミックです。















Colin Stetson (Jul 8, 2011)
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Bon IverやArcade Fireにも参加するカナダのサックス奏者。サックスの可能性を広げる素晴らしい演奏でした。

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フォーク
アコースティックギターを片手に、物語を紡ぎだす彼ら。その物語は世代を渡って受け継がれます。


James Vincent McMorrow (Aug 1, 2011)
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かすれた歌声と吠えるようなファルセット。アイルランドから来たSSWです。














Sean Rowe (Jul 6, 2011)
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全てを許してしまうような慈悲に満ちた深く低い声。それが泣きのメロディーを歌うんだから、声フェチにはたまらないと思います。

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エレクトロSSW
最近のソロアーティストはテクノロジーを操り非常に個性的な世界を作り出します。














Grimes (July 27, 2011)
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エレクトロニカとR&Bとゴシックをごったごたに混ぜ合わせた音楽。彼女の甘い歌声が不思議な音世界の中で遊びまわります。













Bosco Delrey (Jul 11, 2011)
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エルビスのようなアメリカーナと攻撃的なビートを混ぜ合わせた音楽。Diploに見出されデビュー。












Zola Jesus (Aug 15, 2011)
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森の奥から現れたゴシックエレクトロの代表格。自由に変化する歌声とダウナーなビートに中毒者続出。


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2011年9月2日金曜日

The Dandy Warhols


Mind On The Countrified Wintertime

Sep 1, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Sam Patlove
Mastered by Sam Patlove
Translated by Teshi







今でもヘロインの事を考えると、僕はいつも自分にヘロインが驚くほど時代遅れなものだと言い聞かせている事に気づく。超 時代遅れ。高校の時、自分の信念が固まっていない時からずっとそう考えていた。その時はヘロインが実際どんなものかも知 らなかったけど。Dandy Warholsのお陰で、Midwestの感受性が強いティーンネージャーだった僕は「好きなことやればい い」っていう知識を得た。僕は常にヘロインからは身を引いていた。多分この理由のせいだと思うけど、時代遅れな事とか簡 単に手に入れられるものはやりたくなかった。まあポイントが何であろうと、ありがとうDandy Warhols。とくにCourtney Taylor-TaylorとZia Mccabeには感謝してる。彼らは柔らかくメロディックな歌声で長年前に流行った常習性薬物について歌 っていた。君たちのお陰で僕はクリーンでいられたよ。バンドは何年か前に”Dig!”というThe Brian Jonestown Massacreの エピックなドキュメンタリー映画でバンド(The Brian Jonestown Massacre)が危機に陥っていた時に引き立て役を演じて いたが、まだ彼らの活動は終わっていない。何ヶ月か前にテキサス州のオースティンにある僕らのビッグオレンジスタジオに やって来て、ドラッグを帯びたレトロなロックンロールを鳴らしていた。今回はカントリー調のバージョンを披露している。 オレゴン州はポートランドからやってきたこのバンドのこんな曲調を聞くのは初めてだった。殆どアンプラグドで演奏された が、ハーモニカとペダルスチールが彷徨うような、地平線を越えた所にある大陸と繋がっていた。僕らが知っているナッシ ュビルのバンドのような雰囲気があって、まさか彼らのような耳のドラムをぶち抜くようなサイケロック集団が奏でる音と は思えなかった。今回披露された、2003年に発売された”Welcome To The Monkey House”の収録曲、”We Used To Be Friends”の新バージョンはTaylor-Taylorが長く続いた問題を感情的に吐き出している。近年のMatt Sharpのような声で何か を失う悲しみや、以前は確実と思えた事を失う悲しさ――そして、自分で選び出した新しい物に取り替えられた――を心に打 ち付ける「冬の季節を忘れろ」というラインがある。Dylanのカバー、”You Ain’t Goin’ Nowhere”を選んだのは興味深い。 このラインはこのセッションでバンドが選んだムードを的確に表現している。くだらない事ばかり言っているように見えて、 少し丸くなったこのバンドは、多分まだ請求書を払うためにファジーで暗いムードを漂わせて眩しい明かりの中ショー※に出演しなければいけないのだろう。バンドのこういう側面を見られるのは素晴らしいことだ。彼らがこの様に変化したって事を 見られるのは。
The Dandy Warhols Official Site

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セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. Country Leaver(Thirteen Tales From Urban Bohemia収録)
  3. You Ain't Going Nowhere(※Bob Dylanカバー)
  4. We Used To Be Friends(Welcome to The Monkey House収録)

2011年9月1日木曜日

William Elliott Whitmore


The Gospel Of Moonshine

Aug 31, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi


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どれだけでもWilliam Elliott Whitmoreの血をチェックしてみたらいい。でも、きっと血の中にウィスキーや月の光を見つけるはずだ。アイオワ州の東南地方、Lee Countyにとうもろこしを栽培しているみずぼらしい彼の家がある。そこにはミシシッピ川が流れていて、そこの風景はまるで世紀の変わり目みたいだ。そこにあるバスタブ(彼がバスタブなんて持ってたら)はきっとコーンのリキュールで溢れているだろう。彼が愛らしく歌う"Horrible White Dynamite"や"South Lee County Brew"にそんな臭いがする。そのリキュールは「サメの様に噛み付いてラバのように蹴って」きて、アメリカのこの場所で夜のパーティーを盛り上げ、人々を楽しませる。Whitmoreはみんなが家に帰るべき時も分かっていて「君はもう立ち上がる事も出来ずに、床と天井の違いもわからない」と歌う。でも彼はこの強烈に楽しい出来事を神にも感謝する。君は酒でふらふらになって、アルコールに満ちた息は火をも起こせそうだ。

 何よりも、Whitmoreはアイオワに生きる昔ながらの人々の習慣を要約する。よぼよぼになった老人が日々の習慣で、毎朝ダイナーでコーヒーを飲みながら他の仲間と天気の話をする感じ。彼はこういう人生の瞬間を切り取る。秋の季節、骨が折れる仕事で彼らの腰は曲がってしまって(直角に曲がってしまった人もいる)、みんな疲れている。けど元気で溌剌なお年よりは腹の底から大声を上げて、今まで以上に心は優しい。彼らはあらゆる困難を乗り越え、土から作物を育て、しっかり生きて不作の年でも大家族を養おうと頑張っている。たとえ農夫として生きても何も得な事は無かったとしても。彼らは一日の終わり--日がちょうど沈む頃、一日の仕事がやっと終わったとき-に体から感じる土の香りを嗅ぎ、この疲れは誠実なもので、この仕事は気高い職なのだと感じている。

 Whitmoreはまた、こういう年寄り達の若かりし時代を表現する。彼らは近くに強い酒があるならいくらでも飲みたいと常に喉を乾かせている。舌に一滴触れただけで体全体がカッと熱くなり、君の頭を吹き飛ばすくらい強力なアルコール度数。彼はこういう酒は何か忘れるのに最適だと言うけど、夜の飲み会をもっと円滑にするのにも最高だと言う事を知っている。たとえ飲み会が外で行われても、そこでイナゴが無茶苦茶五月蝿く鳴いていも、満点の星が君の目を痛めつけるくらいに輝いて、暗闇は枝から枝に飛び回るフクロウに邪魔されている。
William Elliott Whitmore Debut Daytrotter Session
William Elliott Whitmore Second Daytrotter Session
Anti Records

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セットリスト
  1. South Lee County Brew(未発表)
  2. Horrible White Dynamite(未発表)
  3. Let's Call it A Night(未発表)
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