2011年7月11日月曜日

Andrew Belle


Leaving Is Not An Option

Jul 9, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Mike Gentry
Translated by Teshi


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Andrew Belleの見方だと、彼と彼が心を許した人たち全員との間には巣が張り巡っているらしい。肌と肌を擦り付けるくらい近く、キスが出来るくらい近く、抱き合えるくらい近く、もし糸が切り離された時に針を突き出すくらい近く、彼らは繋がっている。良くも悪くもね。これは記憶を炎に惹き付ける磁石のようなもので、昔の情熱を再燃させ、過去置いてきた記憶を蘇らせてくれる。みんな感情の事になるとモリネズミみたいだ。「もう何の感情も抱かないし関係ない」と言って、心はもう使い物にならないと嘘ぶっている。身体的にもそれは無理だってわかっているくせに。これがBelleが"The Ladder"と名付けられた新作で取り組んだテーマだ。過去に取り憑かれた声を聞いて打ちのめされるのは心地良いものではない。突破できない要塞に隠れていたいと思うのが自然だし、自分が影響されているなどと思われたくもない。Belleは過去の人々や昔の感情に心が動かされている風にあまり聞こえない。彼はいつでもそれらに寄り添い、何処へ行くにしても過去はついてくる。過去は何か特別な決断や解決方法を考えても変える事はできないのだ。それは光り輝いて、喜びが溢れていた昔の思い出の残留物。それは昔の出来事に合わせてゆるやかに鳴る盗まれた鐘だ。Belleは過去を閉め出し、失敗に頭を抱えているようなキャラクター達の感傷を描き出す。彼らはそよ風に乗って、全てをさらけ出す。バランスを崩し、蜂の巣の中に捕まってこう歌う。「ぼくは肌に包まれている/誰も入ってこられない」でもそれは矛盾だよね。皮膚の先には簡単に入る事ができるし、彼らもそれは分かっているはずだ。
Andrew Belle Official Site

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セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. The Ladder(The Ladder収録)
  3. Static Waves(The Ladder収録)
  4. Add It Up(The Ladder収録)
  5. Colorblind(未発表)

2011年7月9日土曜日

Colin Stetson


The Pink And Golden Metal Reflections Of The Effect

Jul 8, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered and mastered by Sam Patlove
Translated by Teshi

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雨が降ると、トルネードが一過した証拠だと人は言う。もう君や、君の所有物を吹き飛ばしてしまった。自然の怒り、雷の衝突が男の理念を表し、女や子供も雨が降る頃には落ち着きを見せ、荘厳で終わったばかりの争いが残したもの、それは何か心を安静にし、またかき乱す。濡れた衣服、ぞっとするような沈黙はベッドやソファに滴る水滴のみによって破られる。道理はひっくり返された。景色は突然移り変わってしまった。だが、君はやっと頭が働き、自分がこの新しい失われた土地で静かに泣いていることに気づく。新しくて、静かな場所だ---以前は神聖なものとして崇められていて、全体を包括していた普通だった世界はバラバラの粒子になり君を囲んでいる。モントリオールはAnn Arborの、Colin Stetsonはこういう世界へ僕たちを連れて行く。様々な場所(Arcade Fire,Bell Orchestre, Bon IverのJustin Vernonのツアーに参加)でサクソン奏者として活躍し、知らない場所で飛行機墜落事故やその後の爆発を目撃、あるいは耳にしたりして、「恐怖の沈黙」を味わった人間の「忘れ去りたい記憶」(のようなもの)を鳴らしている。

"Judges"という曲は、スウィングで始まり、灯台から鳴らされているような咽び声をあげる。音はくたびれた岸や海岸上の土に引っかかり、失われた愛や誘拐された子供を呼んでいる。クラリオンの音が深い霧の中から助けを求めている。これは人間が恐怖を見せる時のサウンドだ。合図として光が一周したとき、水を打ち付ける。水の中にはピンクや黄金色にかがやくガソリンが映し出されている。液体は地上に向けて漂っていく。遠くの海で座礁した舟のタンクから流れ出たのだろう。これは過去に起きた事件が今の僕たちに伝えるメッセージなのだ。目を避けたくなるようなものかもしれないが、誰かが立ち上がって見に行く必要がある。掃除をしないと。曲の最後はまるで幽霊、あるいは最近迷子になった魂が話し始めているように聞こえる。Stetsonはサックスを不穏に鳴らし続け、煙を出し僕らを怖がらせている。

”New History Warfare -- Judges , Vol.2"に収録されている曲は、今どこかで傷ついている壊れた心をつなぎ合わせたようである。今どこかで、ハゲタカのように※瓦礫の中から腐った声を探しにいくべきなのか...。今まで聴いたことの無いような音、しかしそれは驚くほど人間性に溢れている。Stetsonは彼なりの表現方法で自分を曝け出し、残骸を集めて「新しい詞」として組み立て上げる。

※原文はScavengerといって、「腐食肉動物」って意味です。

Colin Stetson Official Site

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セットリスト
  1. A Dream Of Water(Judges Vol.2収録)
  2. Awake On Foreign Shores(Judges Vol.2収録)
  3. Judges(Judges Vol.2収録)
  4. The Righteous Wrath of an Honorable Man(Judges Vol.2収録)




2011年7月8日金曜日

Max Bemis(from Say Anything)


The Faint Light Of The Tunnel

Jul 7, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording engineered by Shawn Biggs
Translated by Teshi




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この五年間、Say AnythingのリードシンガーMax Bemisの人生はかなり波乱に富んでいた。彼は気が狂って以前のまともだった自分に戻ろうと努力してきた(当分の間だけはね)。Bemisが直面した欺きと恐怖、気違いな精神的ダメージを君も経験してごらん。もう以前みたいにしっかりするのは不可能になる。長い間彼は大丈夫な状態ではなかった。母親や医者に面倒を見てもらい、普段の生活ができるようになった。今の生活では疑う事は合理的だし、不確かなことは正当化され、変なことも狂気の炎も立たない。(もし、それを許すことができれば)よく知っている場所へ逃げ込むのが簡単のようだ。僕らはBemisほどの困難に達したりはしないだろうが、困難は妥協ができないほど重々しく由々しい事態を招くことがある。負の連鎖はスピードを増し、突然気づいてみると穴のどん底にいることに気づく。上を見上げ、君の声を聞いてくれる人は誰もいない。もし聞こえたとしても、君を罠から救うロープは短すぎて君に届かない。出ることができない...不自由で身動きがとれず、自分以外に頼れる人はいないのに、心配されるのは嫌な気持ちだ。つぶやいたりする気も起きなくなった。頭をクリアにするために怒り狂う。それでもわだかまりは残るかもしれない。狂気がどれだけ進行しているかによるだろう。Bemisの心との闘いは彼自身がどうにかしなければいけないが、彼が自分のために、あるいはバンドのために書いた曲で現れる敵は、普遍的なインパクトを持ち、ベニヤ版や壁の中に挟まっている。それらは光を避け、毛布の下でブギーマンやモンスターになるまで成長する。蚊やハエのように手で追い払うことができなくなる。

Bemisは様々な痛みへの対応について歌にする。今日感じる痛みや明日やってくるであろう痛みを酒と一緒に解決しようとするのだ。彼は長い間使ってきたメソッドで、大きい帚のように厄介を払い去ろうとするが、帚は大きすぎると意外と汚れは残ってしまうよね。そういった問題はかたづけられるべきだなのだが、歌にすると様々な不幸や、若者の至り、あるいは自分の住処で見つけてしまう問題を共有することになる。それらは僕らを絶望させ、もう後戻りはできないほど人格を変えてしまったりする。どう対処するかによるけれどね。たとえば、もし君の愛する人が実は思っていたよりも孤独を感じていると知ったらどうする?もし、成功もして自分の生活に満足していると思っていた人が欝になって目の前に現れたら、もうどうすることもできないよね。こういうのは彼ら自身の「痛み」で、心の中で成長し、腐っていく。心配することはできるけど、僕らが側にいても愛する人の解決策にはなれない。Bemisはこの悟りに対するバランスや、自分の骨の折れる心を深く洞察力、絶望の渦へ導かれないような自分の限界点を発見したようだ。彼はこう歌う。「君の事を気をつけて見ているよ/僕が死んでしまうまで/僕が腐りきるまで/ああ、君を忘れないよ/僕が死ぬまで/僕が朽ち果てるまで/君のおかげで世界が死んでないことを信じていられるんだ/僕の骨の強度、言葉を頭に植え付けろ/それを紙に書き出して/全部君のためだ/だって君がそうしてくれるから」彼がこれ以上に望む光はないだろう。
Say Anything Official Site

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プレイリスト

  1. Welcome to Daytrotter
  2. The Church Channel(In Defence Of The Genre収録)
  3. I Never Knew You Were So Lonely(未発表)
  4. I Want To Know Your Plans(...Is A Real Boy収録)






2011年7月7日木曜日

Sean Rowe


Train Cars Banging Out The Melody Of The End

Jul 6, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Recording by Mike Gentry
Translated by Teshi


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もし今後そうなってしまうなら、変わりゆく世界は元に戻すことができない。前の世界が病的で恐ろしい雰囲気に移り変わり、「変わるならちゃんと警告しておいてくれればいいのに。カウントダウンとかさ。」と思う。もしいろんな厄介事がこの先起こるなら、解決には先の見通しと死刑執行の計画を大量に考えなければならない。ゲームをやるチャンスと遂行は与えられるはずだから。それってけっこう楽しそうじゃない?全てがフッと消えてしまう前にきっと最後の歓喜の声があがるだろう。このアポカリプスの裏をかいたり、偶然の事故と運で安全地帯に逃げ込むラッキーな奴らもいる。不毛の土地や、天然痘のように廃れた草原、癌のような地獄の穴の中のような場所で食べ物を漁っている間、彼らは集団行動してお互いを不憫に思うことが出来る。僕が最初にするのは、食料を出来るだけ持って、家族を車の中に詰め込み、シンガーソングライターのSean Roweを一緒に連れて行く。

彼がここからあまり遠くにいないといいんだけど。そうすればこの傷ついた場所−−−正直言えば、僕らのせいでこうなった−−−から逃げ出すのにあまり時間をかけずに済むから。もし誰にも触れられていない最善の場所、まだ生き物が歩き回り、土からは栄養が豊富な野菜が生え、忘れ去られたカタコンベ※のような場所を見つける事ができたら...。Roweを連れて行くのは、彼が僕らの萎んで平らな魂(もう消えているかもしれない魂)に元気を与えてくれるからだ。僕たちが救ったギターを持たせて、彼を角に座らせて、歌ってくれと頼む。いや、僕らがこれ以上怖がらないようにずっと話をするように頼むかもしれない。彼の話は子供達を泣かせたり、混乱させたりする。でもチビ達は世界の崩壊を理解しているし、もう大人になるように前から言われているから多分大丈夫だろう。

Roweは、彼の声のせいで、鉄床(かなとこ)や、列車の連結部分の前後ろがエンジンが急に止まってぶつかる時のような音に聞こえる。まるで全能の神ゼウスが僕らにメッセージを与えているような感じだ。彼の話す物語は善悪に満ちている。魂や、人間関係のほとんど気づかれない苦労を語るのだ。彼らは永遠に苦労して、ほとんど解決出来ずに狂気に走る。"American"という曲で彼はこう歌う。「そう彼女は科学を信じている/彼女は肌を変え/彼は宗教から離れ、罪を洗い流した/彼らはフランスで結婚した。あそこのほうが都合がいいから/子供達はみんな車道や芝の中で育って狩猟者は工場で秘密を隠している/子供達は腹をすかせて/世界中の穴を食べている」彼が作り出す世界は、まるでダニやフケのように皮膚から君を脅かす世界とあまりかわらない。Roweは率直に真実と向き合う。謎の火の中へ飛び込むときは、彼と一緒にいてほしい。
Sean Rowe Official Site

※カタコンベはキリスト教徒の避難所となった場所、あるいは地下墓地という意味。
※鉄床(かなとこ)はこれ


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セットリスト
  1. Welcome To Daytrotter
  2. Surprise(Magic収録)
  3. Night(Magic収録)
  4. America(Magic収録)
  5. Mother(未発表)
  6. Cult(未発表)
  7. Old Back Dodge(Magic収録)

2011年7月6日水曜日

Matthew and The Atlas


Feeling Found On Those Lost Roads

Jul 5, 2011

Words by Sean Moeller
Illustration by Johnnie Cluney
Engineered by Matt Oliver
Mastered by Sam Patlove
Translated by Teshi


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数日前、アイオワ州全体を横切ってドライブした。ミシシッピ川の岸からミズーリ川の岸へ、カウンシルブラフスにある偽物の洞窟を越えてアイオワへ向かった。カジノの外にある所でMumford and Sons/Nathaniel Rateliff/Matthew and the Atlasのライブを見るためだ。ステージはカジノのホテル側に対して輝いていて、角に面し、ガラス製のバームに三方囲まれていた。バームの反対側にあるミズーリ川は土手が無く、そこから川を渡るボートが見えてくる。街が盛り上がっている中、まだショーは終わっていない。カジノやその周りのもの、ゴルフコースや高価な駐車場なんかは、骨を震わせるソウルフルなブルーグラスやフォークミュージックを奏でる三つのバンドには不適格な場所に思えるが、実際うまくいっていたし、悪くなかった。バックステージはカーペットが敷かれた地下の物置にあり、隣には客席やスロット、食べ放題のテーブルがあるエリアに繋がっているエレベーターが幾つか設置されている。そこにMatthew and the Atlasが与えられたスペースが有り、黒いカーテンで囲まれていた。部屋の中にはランニングマシーンやほかの筋トレ機材が詰め込まれていて、カーテンが彼らをうまく区切っていた。しかしライブ20分前、彼らが喉を暖めるためのボイストレーニングをしている間、部屋にあるトレーニングマシーンの事は頭の中から消えていた。リードシンガーMatthew Hegartyの声が調子に乗るのに一秒もかからなかった。バンドメンバーのコーラスが上に重なり、そのウォームアップが聞こえていた人なら誰でも「復活したな」と感じていただろう。

その瞬間に居合わせて、もし「誕生の瞬間」「死ぬ間際」の音楽を選ぶ事ができたら、「これだよ!コレが聞きたいんだ!」と思っていただろう。Matthew and the Atlasを聞いていると神に近づく感じ(或はそれと同等のもの)がするのだ。それは僕らの思い込みかもしれない。でも彼らはリスナーに他の音楽が出来ない方法で、色々なものを与え、励ましてくれる。まるで、僕ら自身の肉体から生まれているような、Hegartyが僕らの代わりに話しているような感覚だ(それか僕らの一番親密な思い出を読みあげているのかも)。彼が僕らの秘密を聞いて、消化させてくれているのかもしれない。先祖の魂を紡ぎ上げて、彼らの事を学び、感じさせてくれているのかもしれない。僕らが近代にいる事や心配事を忘れさせてくれるなんて、素晴らしいじゃないか。違う世界へ、何か古くて若々しいものから今まで経験した事が無い新しい景色を作り出してくれる。彼は歌う。「皮膚と骨が戻ってくるのをまっている/僕の姿を見てみろよ/ここにまだ夏は来てない/長生きしてきたけど/まだ夜が長くて、違う曲が歌われていた昔に連れ戻してくれよ」"I Will Remain”の一部である。Hegartyが精神世界を描くのはこの曲だけではない。現実から離れていくような感覚は伝染していく。心の中にある荒野を巡りながら自分を見失う感覚を得るだろう。しかし、その中で君はいまだかつて無い程の生命を感じる。

Matthew and the Atlas Official Site
Communion Music

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セットリスト
  1. Welcome to Daytrotter
  2. To the North(未発表)
  3. I Will Remain(To The North収録)
  4. Come Out Of The Woods(Kingdom Of Your Own収録)
  5. Within The Rose(To The North収録)




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